マルメロの花
マルメロの果実
マルメロは中央アジアが原産のバラ科の耐寒性落葉果樹です。
ナシ亜科に属している、西洋ナシやリンゴやボケなどは、
近縁にあります。
黄橙色の果実は、甘酸っぱさと芳香が持ち味で人気があります。
生食としてそのまま食べずに、
加工した方がマルメロの良さを楽しめます。
ジャムやジュースや果実酒のほか、
さまざまな加工品を味わうのもよいものです。
寒さや暑さにも強く丈夫なため、家庭栽培にも好まれます。
木の姿や実は、カリンとよく似ていますがマルメロ属1種のみです。
■マルメロとカリンの違い
1.混同されている場合が多い
マルメロとカリンは同じ仲間なので、
一部の地方ではマルメロをカリンと呼ぶところもあります。
とくに長野県ではマルメロの栽培が多く、
カリンと呼ぶため混同されてしまっているのが現状です。
店頭でも違いを区別せずに販売されているので、
苗木を見ただけでは判断しにくいでしょう。
2.果実で見分ける方法
果実の外見で見分けるには、
表面に綿毛のようなものがあるかないかで見分けます。
マルメロの果実は、登熟するまで細かい毛で覆われています。
一方カリンの肌はつるっとしています。
果実の形にも違いがあります。
マルメロは洋ナシのような形をしており、
カリンは楕円形をしています。
3.葉と花で見分ける方法
マルメロとカリンは、葉や花にも違いがあります。
葉の縁を注意深く観察しましょう。
マルメロの葉には、細かいギザギザがあり、
葉の裏に白い毛が生えています。
花にも違いがあり、
マルメロは白~薄紅色の丸みをおびた、
花びらをもっています。
カリンの花色は淡い紅色です。
花がかすかに色づいて見える場合は、
違いが難しいかもしれませんが、
その場合は葉の形状や質感などで判別するとよいでしょう。