バナナの花
バナナは、野生種から突然変異によって生まれました。
受粉せずに子房だけが発達して、種無しの実がつきます。
バナナの生育温度は29~30℃、
冬期には最低気温が15℃以上は必要なので、
小笠原諸島や沖縄以外では庭植えは無理ですので、
鉢植えで栽培します。
[バナナ 鉢植えの育て方]
■植え付け時期と場所
・植え付けと栽培管理
バナナの苗は、4月~5月に15~18号鉢に植えつけます。
充分な日照を好むので、春~秋の生育期は屋外で育て、
充分に直射日光に当てます。
冬は日当たりの良い室内で育てます。
ビニールシートで覆うなど、防寒対策をしっかりとしましょう。
株が大きくなると、葉の間から子株(吸芽)が出ますが、
実をつけるまでは1つを残して切り取ります。
収穫後は、吸芽を株分けして、新しい株を育てましょう。
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方と剪定
バナナは小さい苗の頃から、下の葉から黄色くなり枯れていき、
その一方で新芽がどんどん出てきて、
葉っぱが入れ替わりながら生長して大きくなっていきます。
黄色くなった葉っぱは随時、カットしていきましょう。
・水やり水分を好むので、表面の土が乾いたら、たっぷりと水を与えます。
冬でも水はたっぷりと与えます。
夏場は乾燥しやすいので、毎日水やりをしましょう。
・施肥
5月、7月、9月に、玉肥を8~10コずつ施します。
・収穫
葉が35~45枚ほどになると、花が垂れて実がなるようになります。
実が大きくなってきたら、支柱を立てて支えてあげましょう。
収穫は、9月~10月です。
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また、ポポーを育てている人におすそ分けとしていただくこともあるでしょう。
基本的には生食するフルーツですし、
種は比較的大きいので、種の採取は難しくありません。
種の採取から発芽までも、少し時間はかかりますが可能です。
ポポーはトロピカルフルーツとして紹介されていることも多いですが、
温暖な地域の植物で、寒さにも比較的強く、寒冷地以外は戸外で越冬が可能です。
種から育てた場合、結実するまでに7年~8年ほどかかることが多いですが、
収穫できた時の喜びは、何物にも代えようがありません。
もし種を手に入れることができたのなら、ぜひチャレンジしてみてください。
■ポポー 種の育て方
・種の採取
ポポーを食べる時に、種を残しておくようにします。
種が大きいので、取りだしやすいかと思いますが、
実を切る時に種も一緒に切ってしまわないように注意しましょう。
残しておいた種を水でよく洗い、表面に残っている果肉などを取り除きます。
よく洗った後、余分な水分をキッチンペーパーなどでふき取ります。
この時、種を乾燥させないようにするのがポイントです。
ポポーの種は、室温で数日置くなどして乾燥させてしまうと、
発芽率が極端に下がってしまいます。
種を洗ったら、すぐに種を播くか、冷蔵庫で保存し、
乾燥しないようにしておきましょう。
ポポーの蕾
ポポーの花
・種播き
ポポーの実が収穫されるのが10月頃なので、実を入手できるのもその頃です。
ポポーの実は収穫して木から離れても追熟し、しかも熟すスピードが速いため、
生での保存に向かない上に、遠くへの輸送も難しいのです。
そのため、種を採取できるのも必然的に秋になります。
ポポーの種が発芽するためには、いくつかの条件があります。
1つは冬を経験していること。
5度以下の寒さを一定期間経験すると、種の休眠が覚め、発芽する体勢になります。
もう1つは発芽温度です。
ポポーの発芽温度は高く、24度~29度とされています。
日本の自然下では、梅雨明け以降でないと、発芽が難しいことがほとんどです。
以上のことから、ポポーの種を播く代表的な方法は2つになります。
◎すぐに播く
種を採取した後、すぐに土に播く方法です。
4号~5号のプラポットか鉢を用意します。
そこに種播き用の用土や、小粒の赤玉土を入れます。
土を入れたら、種が隠れるように播き、
土全体が湿るように水をたっぷりと与えておきます。
ポポーの種は乾燥すると発芽率が悪くなるので、
土が乾かないように管理するようにしましょう。
また、発芽できるのは一度冬を経験してからとなるため、
10月~11月頃に種を播いたものは、翌年にならないと発芽しません。
冬は土が凍らないように注意し、気温が上がってきたら、
土が完全に乾かないように注意しましょう。
◎冷蔵してから播く
冷蔵庫の0度~4度くらいのところに、70日~100日ほど保存しておくことで、
疑似的に冬を経験させることができます。
採取した種を、湿らせた水苔やピートモスで包んで、
ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します。
種を包むのは水苔やピートモスだけでなく、
湿らせたキッチンペーパーでもいいでしょう。
袋も、普通の透明ビニールでもいいですし、チャックで密閉できる保存袋や、
密閉できるタッパーのような容器でも大丈夫です。
3ヶ月ほど冷蔵庫で保管しておくため、時々中を確認して、
乾燥していないかを見るようにしましょう。
乾燥しかけていたら、周りの水苔などを再度湿らせて、
元と同じようにして保存します。
3ヶ月ほど冷蔵庫で保存したら、その後はいつ種を播いても大丈夫です。
採取してすぐに種を播く時と同様に、鉢などに土を入れて種を播き、発芽まで土が乾燥しないように管理しましょう。
ポポー、着果!
・発芽を早めるコツ
種を採取してすぐに種を播いても、冷蔵保存した後に種を播いても、
気温が上がらなければ発芽はしません。
そのため、どちらの方法を用いても、夏の気温になるまでは発芽が難しくなります。
発芽するまでのドキドキを楽しむのもいいけれど、
できるだけ早く発芽させて大きく育てたいという場合は、
発芽できるだけ気温を上げてあげましょう。
気温が24度~29度になる温室や、育苗ヒーターを使うといいでしょう。
ただし、種を採取してすぐに播いた場合は、
種を播いてすぐに温室やヒーターを使うと、
冬を経験できていないため、発芽することができません。
気温を上げるのは、冬を経験した後となる2月~3月頃以降にしましょう。
冷蔵庫で保存してあった種に関しては、100日以上保存しているものであれば、
種を播いた後すぐに温室やヒーターを使用しても問題ありません。
・日当たり
ポポーは、大きくなれば日当たりの良い場所で育てるようにしますが、
まだ小さいうちは直射に弱いため、半日陰程度の場所で育てるようにします。
特に夏の間は、生育期であるとともに気温も高く、
さらに直射日光が土に当たると土が乾燥しやすくなります。
ポポーは乾燥に弱いため、そのような環境に置いていると、
生育が悪くなったり、悪ければ枯れてしまうこともあります。
耐陰性は多少あるので、半日陰くらいであれば問題なく生育します。
鉢植えで育てるにしても、地植えで育てるにしても、
少なくとも小さな苗のうちは、無理に日当たりの良い場所で育てる必要はありません。
実が大きくなるポポー
・水やり
発芽するまでは、土を乾燥させないように、毎日土の状態をチェックします。
土が乾いていたら水を与え、乾いていなければ無理に与える必要はありません。
発芽した後は、土の表面が乾いていたら水を与えます。
夏は土が乾きやすいため、日中でも土が乾燥していたら水を与えます。
この時、鉢や株元に直射日光が当たると、蒸れてしまうことがあるので、
二重鉢にしたり、遮光ネットを使うなどして、
株元や鉢が日陰になるようにしてあげるのがお勧めです。
・発芽後の管理
発芽した後、数年の間は比較的ゆっくりと育ちます。
鉢の底から根が見えるようであれば、根詰まりの状態になっているので、
一回りか二回り大きい鉢に植え替えます。
これを繰り返し、育てていきます。
地植えにしたい場合は、ある程度大きくなった頃に、
一般的な苗と同じように植え付けをします。
■参考
・ポポーの育て方 庭植え|栽培しやすい美味な南国果樹
・ポポーの育て方 鉢植え|生長に合わせて鉢上げし栽培
・ポポー 苗 販売
ポポーの花、緑からチョコレート色になる
ポポーは別名をアケビガキともいい、
その名のとおりアケビやカキに似ています。
ポポーの果実は、種が大きいものの、
クリーム状でやわらかく、甘いので、
森のアイスクリームとも言われています。
トロピカルフルーツではありますが、
温帯原産のため耐寒性が高くて育てやすく、
病虫害も少ないため無農薬で栽培できます。
ポポーの品種には、雌しべが先に熟してしまい、
自分の花粉で受粉しにくいものが多いので、
2品種以上を植えるか、人工授粉をするとよいでしょう。
「ウェールズ」「サンフラワー」「ウィルソン」
「ミッチェル」「マンゴー」「デイビス」などの品種があります。
[ポポー 鉢植えの育て方]
■植え付け時期と場所
・植え付けと管理
3月下旬頃、6号鉢に、水はけの良い用土を用いて植えつけます。
用土の配合は、赤玉土3、真砂土3、腐葉土3、川砂1など。
または市販の園芸用培養土5、赤玉土5でもよいでしょう。
植え付けたら、鉢と同じ高さで切り戻します。
根がいっぱいになったり、
鉢と株のバランスが悪くなってきたら、
鉢増しを兼ねて数年置きに植え替えてやります。
ポポーのクリーム状の実
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方と剪定
植え付けたら、側枝2本を伸ばしていきます。
冬に新梢の先端を切り詰めて枝を伸ばし、
生長に合わせて鉢上げをして10号鉢まで大きくします。
立ち枝を落として、枝が広がるように剪定するのがコツです。
・水やり
表面の土が乾いたら、鉢底から流れ出るまで水をたっぷり与えます。
ポポーは乾燥を嫌いますが、幼木の頃は水切れしやすいので注意します。
・施肥
肥料は4月、6月、8月に、玉肥を埋め込んであげましょう。
・受粉
花芽は枝の基部の葉腋(葉の付け根部分)につき、
葉が出てくる前に開花します。
花は始め緑色ですが数日でチョコレート色になり下向きに咲きます。
開くと4cmほどにもなり、雄しべより先に雌しべが成熟します。
自分の花粉では結実しにくいので、他の品種の雄しべの花粉を集めておき、
後から咲く花の雌しべに受粉してあげましょう。
・摘蕾と摘果
7月頃、1ヶ所に1果を残し、葉10枚に1果を目安に摘果をします。
・収穫
10月頃に収穫できます。
果実は大きさ10~15cmほどで黄~緑色です。
果肉はねっとりとしたバター質で独特な芳香があります。
収穫後、涼しい場所で2~3日追熟させると甘味が増します。
香りが強くなってきたら、縦に切って食べましょう。
ねっとりと甘い果肉をスプーンですくって食べるのですが、
バナナとプリンとマンゴーを混ぜたような、甘くて濃厚な味がします。
ところが、実が熟すのが早く、流通に乗ることがほとんどないため、
実が売られている場所は限られています。
ポポーを味わうために、ぜひ育ててみてください。
育てる楽しみ、収穫する喜び、味わう満足感を得ることができます。
最近は実店舗よりも、ネット販売の苗の方が管理が良く、
状態の良いものが届くことがあります。
信頼できるお店で、しっかりと栽培された良苗を購入しましょう。
■ポポー 苗 販売
季節の花苗や果樹苗、球根などを取り扱っているお店です。
珍しいものとしては、ヒマラヤの青いケシのポット苗が販売されています。
取り扱っているポポーの品種も多く、コンパクトに育てられる品種、
大きな実が収穫できる品種など、たくさんの中から好みの品種を選べます。
中には1年生の実生苗もあります。
実生苗は結実するまで時間がかかることが多いですが、
時間をかけるからこそ、収穫した時の喜びは大きくなりますし、
育つ経過をゆっくりと楽しむことができます。
取り扱っている植物にも幅があるので、ポポーの苗を購入するのと同時に、
他の植物の苗なども一緒に購入が可能です。
草花の苗から、果樹、花木、雑木、バラ、宿根草なども取り扱っています。
他にも、それぞれの特性に合わせてブレンドされた、
バラの培養土や果樹の培養土や園芸に必要な資材も売られています。
特に果樹苗は種類が多く、ポポーもたくさんの品種を取り扱っています。
中には、接ぎ木4年生の大苗まであります。
少々お値段は張りますが、できるだけ立派で、
結実までの年数が短いものを希望する方にはお勧めです。
鉢植えで育ててみたい方は、苗と一緒に培養土や鉢など、
鉢植え栽培に必要なものも一緒に買うことができます。
ポポー 苗 ウェールズ1年生 接ぎ木 苗 C)花ひろばオンライン
言わずと知れた老舗の種苗メーカーです。
あらゆる植物の種、苗、球根などの取り扱いはもちろんのこと、
園芸に必要なハサミや支柱などの小物から、
ビニールハウスや小型の耕運機などもあります。
ポポーの苗も厳選されたものが販売されているため、
購入から到着まで安心して待つことができます。
会員に入会すると、割引を受けられるサービスもあります。
季節の種や苗、球根をはじめ、園芸資材なども使っているため、
園芸に関するものが一通り揃えられます。
野菜や果物などの生鮮品も扱っているのがおもしろいところです。
ポポーの苗も色々な品種を扱っています。
ポポーは1本で結実する品種もありますが、
2本以上植えた方が結実しやすくなるとされています。
こちらでは、2種類の苗をセットした豊産ポポーセットや、
3種類の苗をセットしたおすすめポポーセットがあるため、
複数の苗を植え付けたい方には便利でお買い得です。
こちらもタキイと並んで、日本では有名な種苗メーカーです。
様々な草花や野菜などの種と苗の他、
果樹や花木の苗もたくさんありますし、園芸資材も取り扱っています。
他のお店に比べると、取り扱っているポポーの品種が少ないですが、
基本を押さえたラインナップとなっています。
中には国華園と同じように、2種2株がセットになっているものもあります。
ポポーの花は、緑色からこげ茶色に変わる
ポポーはアテモヤやチェリモヤといったバンレイシ科の果樹で、
トロピカルフルーツとされていますが、
温帯原産のため耐寒性が高く、
日本でも育てやすい果物です。
[[ポポー 庭植えの育て方]
■栽培条件と品種の選び方
・栽培条件
耐寒性が強いとはいえ、もともとがトロピカルフルーツのため、
庭植えができるのは関東以西となります。
実生もよく発芽しますが、収穫できるようになるまで、
時間がかかりますので、苗木を買い求めたほうがよいでしょう。
・品種選び
ポポーは自分の果実では結実しにくいので、
開花期の近い2品種以上を選んで植えます。
「ウェルズ」と「NC1」、
早生なら「ウィルソン」と「タイトゥー」、
などの組み合わせがよいでしょう。
■植え付け時期と場所
・植え付け
ポポーは直根が深く伸びて大木となるため、
根が深く張れるように、植え穴は深めに、
50cm以上掘ってから植えつけます。
乾燥を嫌うため、元肥を入れて植えつけた後は、
マルチングをしておきましょう。
苗を植えつけて2年くらいは、
生育がゆっくりしていますが、
成木になるに従い樹勢が強くなっていきます。
・植え付け場所
日当たりの良いところで地下水が深く、
水はけのよい肥沃な場所を選びます。
やや粘土質の用土を好みます。
ポポーの枝はやわらかく折れやすいのと、
落果をできるだけ防ぐために、
強風の当たらない場所が適しています。
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方と剪定
ポポーの剪定の時期は、幼木のころは8月~9月、
成木になってからは12月~1月にします。
新梢を半分に切り戻して自然形を作ります。
枝が立ち上がりやすいので、樹形ができてからは、
混み合った場所で内側に出る枝や、
立ち上がる強い枝などを間引き剪定をし、
日当たりがよくなるようにします。
葉が落ちてから、結実した先に、
2芽くらい残して、切り戻しておきます。
・施肥
開花後の5月頃と、実が熟し始める9月頃に、有機質肥料を施します。
・受粉
人工授粉を行うと、より確実に結実します。
ポポーの花は両性花ですが、雌しべの方が先に成熟します。
開花後3~4日して、雌しべの機能がなくなった頃に、
雄しべから花粉が出てきます。
受粉する花が茶色に変化した頃、
先に咲いた花の雄しべの花粉を柔らかい筆で受粉してあげます。
・摘蕾と摘果たくさん結実したら、
7月頃に、葉数10枚につき1果を目安に摘果します。
・収穫
果実が色づきやわらかくなったら収穫します。
自然落果するまで待ってもよいでしょう。
収穫後、涼しい場所で2~3日追熟させると甘味が増します。
追熟し香りが強くなったころが食べごろです。
縦に切って食べましょう。
パッションフルーツも、挿し木で株を増やすことが可能です。
挿し木の時期は、十分に気温が上がって湿度の高い6月と、
暑さが少し落ち着き始める8月中旬~9月頃です。
どちらも挿し木に適した気温になりますが、
6月の方が挿し木をした後も、高温期が続き株が大きくなります。
■パッションフルーツ 挿し木
1.挿し穂を作る
挿し木をするためには、まず挿し穂を作る必要があります。
挿し穂は、パッションフルーツのつるから取ります。
先端の方とつるの途中と、どちらでも挿し木はできますが、
葉が硬くしっかりとしているつるの途中の方が、
先端の傷みが少ないのでおすすめです。
挿し穂は、節が2つついた状態で切り取ります。
先端に1つ、次の葉がついている部分がもう1つの節となります。
2つ目の節から5cm以上、挿す部分をつけて切り取りましょう。
2つ目についている葉と巻きつるは切り取り、
先端の葉は半分くらいの大きさに切ります。
挿し穂は株の状態と違い、根がありません。
大きな葉が何枚もついていると、
水分の蒸散が激しくなり、挿し穂が枯れてしまいます。
葉は必ず先端の1枚のみ残し、
残した葉も小さくしておくことがポイントです。
挿し穂ができたら、水を入れたコップなどに挿しておきましょう。
これを水上げといいますが、切った断面から水を吸い上げることで、
挿し穂を枯れにくくすることができます。
発根するまで水を交換しながらつけておいてもいいですが、
土に挿し木をする場合は、1時間ほど水上げをしておけば十分です。
2.挿し床
挿し木を水上げしている間に、挿し床を作っておきましょう。
ミニプランターや底穴をあけた発泡スチロールなどの大きな容器、
3号サイズのプラポットや底に穴をあけた紙コップでも大丈夫です。
用意した容器に、挿し木用の水はけのよい土を入れて湿らせておきます。
大きな容器を使う場合は、一度土を湿らせた後は乾燥まで時間がかかるので、
挿し床には土を使うのがおすすめです。
反対に、ポットや紙コップなどの小さな容器で1株ずつ挿し木をする場合は、
水苔を使う方が効率的です。
水苔はしっかりと水につけて戻し、絞ってから容器に詰めます。
水苔が長すぎる場合は、
少し短く切ってから使うと、挿し穂が挿しやすくなります。
3.挿し床に挿す
挿し床の準備ができたら、水上げした挿し穂を挿します。
土や水苔は必ずあらかじめ湿らせておきましょう。
特に水苔は、完全に乾いた状態のままだと、なかなか水を吸ってくれません。
十分に湿らせた状態で挿すようにしないと、すぐに乾燥してしまいます。
挿し木をした後は、強風の当たらない明るい日陰に置いて管理します。
用土や水苔が完全に乾かないように注意し、
乾きかけていると感じたら水を与えます。
発根するまでは、時期や環境によって差があり、
早ければ1週間ほどで発根します。
4.発根したら
発根し、節から新しい葉が伸びてきたら、鉢増しをしましょう。
鉢やプランターに、市販されている草花用培養土を入れ、そこに植え付けます。
水苔に挿し木をした場合は、そのまま鉢増しをするのは難しいため、
一度水苔から抜いて裸にしたものを、新しい容器に植え付けます。
鉢増ししたすぐ後は、明るい日陰で2週間~1か月ほど養生し、
その後は日当たりの良い場所で管理します。
その後は、親株と同じように管理しましょう。
■参考
・パッションフルーツの育て方 庭植え|日照と排水を良く栽培
・パッションフルーツ 鉢植え|株の寿命は7年、更新して栽培
パッションフルーツ、いただきます!
パッションフルーツ(Passion fruit)は、
花が時計の文字盤に似ていることから、
「トケイソウ」とも呼ばれます。
西洋では、この花を十字架にかけられたキリストに見立てて、
「パッション(受難)フルーツ」という名がつけられました。
パッションフルーツの果実は、柔らかな果肉の中に多くの種と、
それを包むゼリー状の仮種皮と呼ばれる部分がありますが、
食用にするのは主にこのゼリー状の部分です。
生でそのまま食べたり、ジュースに加工したり、
お菓子や料理の香り付けにも利用されます。
[パッションフルーツ 鉢植えの育て方]
■植え付け時期と場所
・植え付けと管理
パッションフルーツの苗は、水はけの良い用土に、浅植えにします。
用土は、赤玉土(小)6:腐葉土2:パーライト2の割合で混合したものか、
または市販の培養土が良いでしょう。
植え付けたら、鉢高と同じ高さで切り詰めます。
植え付け時にあんどん支柱を立てて、
つるを誘引して育てます。
霜には弱いので、冬は早めに室内に取り込みます。
室内では、日当たりの良い窓辺に置いて5℃以上を保ちます。
根詰まりするとつるが伸びなくなってしまうので、
そうなる前に植え替えますが、
パッションフルーツの株自体の寿命が7年くらいなので、
寿命が来る前にあらかじめ実生や挿し木で株を更新しておきます。
種子から育てる場合は、6月~7月に、
赤玉土(小)6:ピートモス2:川砂2の用土に、
成熟した果実から取り出した種子を、水洗いしてからまきます。
パッションフルーツの不思議な花
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方と剪定
あんどん仕立てにします。
つるは、支柱の外側に巻きつけるようにして誘引します。
切り戻した後に伸びた新梢に花芽が付くので、
収穫後の9月~10月に切り戻して、誘引を繰り返します。
春先(4月)にも、混み入った枝や生育の悪い枝を間引き剪定します。
・水やり
表面の土が乾いたら、たっぷりと水を与えます。
特に、収穫前の6月~7月には、
こまめに水やりするようにしましょう。
・施肥
4月、7月、10月に固形の有機質肥料を施します。
そのほかに、葉の色を見て液肥を月2回ほど施します。
パッションフルーツ=クダモノトケイソウの花
パッションフルーツはブラジル原産のトロピカルフルーツです。
花が、時計の文字盤を連想させるので、「トケイソウ」の名があります。
「トケイソウ」のなかで、果実を食用にするものが「クダモノトケイソウ」で、
その果実をパッションフルーツといいます。
果実はパイナップルとリンゴを混ぜたような風味で、
生食やジュースにするとおいしいです。
[パッションフルーツ 庭植えの育て方]
■栽培条件と品種の選び方
・栽培条件
パッションフルーツは熱帯果樹の中では比較的寒さに強く、
よく実がつき、勢いよく育ちます。
関東南部以南の太平洋岸の暖地では、
庭植えで育てられます。
・品種選び
実が紫色っぽいものと黄色っぽいものがあります。
パッションフルーツは自家受粉もしますが、
両種を1株ずつ育てると、受粉しやすくなります。
紫色系のほうがやや寒さに苦手なので、栽培に注意します。
■植え付け時期と場所
・植え付け
種や苗木、挿し木などで植え付けます。
・植え付け場所
日当たりの良い場所で、水はけの良い土に植え付けます。
冬は霜よけが必要です。
寒さで落葉しても、根が傷んでいなければ春には新芽が出てくるので、
マルチングをして春を待ちます。
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方と剪定
パッションフルーツはつる性なので、
フェンスや棚につるを這わせます。
棚仕立ての場合は、棚の高さまで届いたら、
摘芯をして枝をバランスよく誘引していきます。
収穫後には切り戻して、結果母枝を出させるようにします。
フェンス仕立てならば、暑い夏の日陰作りにも役立ちます。
日当たりが良いと実つきが良くなるため、蕾ができてからも、
できるだけ直射日光を蕾にあてるように誘引します。
・施肥
2月と8月に緩効性化成肥料を施します。
パッションフルーツは多肥を好むので、
葉色が悪いときは、液肥も追肥します。
・収穫
開花から50日くらいが収穫の目安です。
皮にしわが寄ったら、熟しすぎです。
収穫したら、中身をスプーンなどですくって食べましょう。
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フェイジョアの果実は、ゼリー状の果肉をしています。
果実はパイナップルのような香りがします。
果実はスプーンですくって生で食べたり、
シャーベットやジャムにして楽しみます。
花も食べられ、サラダなどに利用できます。
[フェイジョア 鉢植えの育て方]
■植え付け時期と場所
・植え付け
3月~4月に、6~7号鉢以上の大き目の鉢に、
水はけのよい用土で植えつけます。
赤玉土(小)6:腐葉土3:川砂1で混合した用土か、
市販の培養土がよいでしょう。
植え付けたら、鉢と同じ高さで切り戻し、
水をたっぷりと与えます。
霜にあたらないよう、冬は室内に取り込みます。
収穫できるようになったら、
2~3年に一度、根鉢を崩さずに植え替えます。
フェイジョア、花も食べられる
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方と剪定
模様木風仕立てが一般的です。
植え付け後、鉢と同じ高さで切り戻し、
主幹と側枝2本で樹形を作っていきます。
梅雨の時期になったら、針金をかけで側枝を水平に誘引します。
枝は折れやすいので、徐々に曲げるようにします。
3月の剪定では、新しく伸びた部分を1/3ほど切り詰めます。
夏の剪定(7月~8月上旬)では、混み合った部分の枝は間引き、
樹形を作っていく剪定をしますが、
樹冠内部の小枝には大実がつきやすいので、残しておきます。
・水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをします。
特に受粉後は、水切れで落果しないよう、夏の乾燥期は毎朝水やりをします。
・剪定春(3月)と秋(9月中旬~10月上旬)に、玉肥を3~5個、施します。
・収穫
手で触るとポロッと取れるようになったら、収穫適期です。
12~15℃で1週間ほど追熟すると、より風味が増します。
フェイジョア(Feijoa sellowiana)は南米原産の果樹ですが、
寒さに比較的強く、カンキツ類の育つ地域なら栽培が可能で、
トロピカルフルーツとしては比較的栽培が容易です。
フェイジョアの果実は緑色で、熟すと果肉がゼリー状になります。
パイナップルのような甘い香りのする、
食べておいしく花も愛らしく美しい果樹です。
[フェイジョア 庭植えの育て方]
■栽培条件と品種の選び方
・栽培条件
トロピカルフルーツとしては耐寒性がありますが、
長期の低温や、何回も霜にあたると、
落葉したり樹勢が弱まったりして、樹が大きくなりません。
特に収穫間際に霜にあたると、果実が腐ってしまいます。
栽培適地は関東地方南部以西の太平洋岸の暖地です。
土壌は、腐食に富んだ耕土の深い場所を好みますが、
土に対する適応性はとても広いのが特徴です。
フェイジョアは低木性なので、樹高を低く保ちながら、
2~3㎡のスペースで栽培できます。
・品種選び
フェイジョアの品種によっては、
多品種の花粉でないと受粉しないものもあります。
自分の花粉で受粉でき、果実の甘味が強い、
「クーリッジ」や「アポロ」が適しているでしょう。
接ぎ木した部分がしっかりとしている苗木を選びます。
■植え付け時期と場所
・植え付け
寒さの去った3月ごろに植え付けます。
直径・深さ共に50cm程度の穴を掘り、
掘り上げた土の半量に、
その土と同量の堆肥や腐葉土を混ぜ、
油かすを加えて埋め戻します。
その上に、何も混ぜない土を戻します。
フェイジョアの苗木は、根を広げるようにして浅植えにします。
50cmほどの高さで剪定し、支柱を立てて固定します。
植え付け後、周囲に溝を作り、
水をたっぷりと回し入れます。
庭植えでは基本的に水やりは必要ないのですが、
フェイジョアは根を浅く張るので、
夏に高温が続き、乾燥する場合には、
早めに水やりをしましょう。
植え付け後に、乾燥防止と霜よけとして、
マルチングをしておけば、なお良いです。
・植え付け場所
日がよくあたる、風当たりの強くない場所に植え付けます。
日照不足では、実つきが悪くなってしまいます。
フェイジョアの花
フェイジョアの花、群生してもきれい
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方
「主幹形仕立て」か「半円形仕立て」が一般的です。
「主幹形仕立て」の場合は、
1年目の冬に地面から50cm以下の枝を切り取り、
新梢は1/3程度に切り詰めます。
さらに紐などで枝を水平近くに誘引します。
2~3年たったら、混み合った枝や徒長枝を間引き、
樹高を2m程度に維持します。
「半円形仕立て」の場合は、
植え付け2年目に主枝を2本とし、枝を誘引します。
・剪定
フェイジョアの剪定は、
2月中旬~3月、11月~12月に行います。
花芽が枝先に出るため、枝先を切り詰めると、
翌年春に伸びた枝には花がつきません。
そのため成木では、切り詰め剪定をせず、
間引き剪定で樹形を維持します。
・施肥
4月上旬、6月上旬、11月の年3回、配合肥料を施します。
・摘蕾と摘果
植え付け後4~5年で、樹勢も落ち着き、
着果数もかなり多くなってきます。
その頃から、新梢の基部に着いたつぼみを2つ残して、
それより先は摘蕾します。
・収穫
フェイジョアの収穫期は、10月中旬~11月です。
果実は緑色をしているので、
収穫適期を見極めるのが難しいのですが、
熟した果実は手で触るとポロッと取れるので、
それを目安にします。
自然落果したものを収穫しても良いでしょう。
収穫したら、12~15℃で1週間ほど追熟させると、
フェイジョア独特のおいしさを味わえます。
ウメ(梅)はとても芽をふく力が強い樹木です。
ですので本来は1年のどの季節に枝を切っても、新しく芽が伸びてきます。
ただし、適切な時期に適切な剪定を行わないと、
花芽を誤って切り落としてしまったり、
花芽のつきにくい枝ばかり残すことになるので注意が必要です。
ウメの実を多く実らせるのに、剪定は大切な作業です。
剪定の適期は2つあり、1つは7月頃の夏剪定。
もう1つは落葉中の12月~1月に行う冬剪定です。
剪定と聞くと難しそうに思うかもしれませんが、
ポイントをしっかりと押さえれば、さほど難しいことはありません。
何年か剪定を繰り返して経験することで理解も深まりますので、
一度失敗したからといって諦めないようにしましょう。
[ウメの木の剪定方法]
■ウメの木 夏剪定
ウメの花芽分化は7月下旬~8月といわれています。
その花芽分化の前に、剪定を行うことで、
花芽ごと落としてしまうのを防ぎます。
また、梅雨や夏の高温多湿の環境の中、
枝が混みあっている場所があると、蒸れて枯れこんだり、
病害虫の原因になることがあります。
枝が混みあっている場所は間引き剪定を行い、
風通しと日当たりをよくしておきましょう。
どの枝でも切って良いというわけではないので、
切る枝を厳選して、無駄に切らないようにしましょう。
夏剪定で切る枝には、いくつか種類があります。
1. 徒長枝
上を向いて勢いよく伸びる枝です。
ウメはこの徒長枝には花芽をつけにくい上、
枝を伸ばすことに力を使ってしまうので根元から切り落とします。
2. 株元から伸びている枝
木の株元から伸びてくる枝(ヒコバエ)は、
不要な養分を奪って株を消耗させてしまう怖れがあります。
不要な枝ですので、根元から切っておきましょう。
3. 枝が混みあっている場所
枝が混みあっている枝(車枝)は、葉が茂っている春から秋に、
株の中心に日がうまく当たらなくなってしまうことがあります。
風通しも悪くなるので、不要な枝を根元から切ってすっきりさせましょう。
交差している枝、内側に向かって伸びている枝は、
そのまま伸ばしていると枝が混む原因になるので根元から切りましょう。
それでもまだ枝が混んでいる場合は、
細く弱い枝などを間引き剪定し、風通しをよくしておきます。
4. 枯れた枝
もし枯れたようになった枝や、
病害虫にすでに侵されている枝があったら切っておきましょう。
■ウメの木 冬剪定
冬の剪定は、ウメの剪定でもメインの剪定になります。
この時期に適した剪定をすると、結実も良くなります。
落葉期の冬季に行うことで、葉芽や花芽の区別がつきやすく、
樹形を見ながら剪定できるので、好みの樹形に仕立てやすくなります。
冬剪定で切る必要のある枝です。
1. 徒長枝
夏剪定では根元から切るだけですが、
不要な徒長枝と残す徒長枝がある場合、切る場所が異なります。
不要な徒長枝の場合は、夏剪定と同じように根元から切ります。
徒長枝であっても、翌年も残しておく場合は、
10芽ほどを残すか、枝の長さの半分ほどに切るようにします。
あまり短く切り戻すと、さらに強い枝が出てしまうので、
切る場所には注意することが大切です。
2. 枯れた枝
枯れている枝や、病害虫に侵されている枝は、切っておきましょう。
3.株元から伸びている枝
株元から伸びてくる細い枝は、
不要な枝ですので根元から切っておきます。
4.混みあっている枝
夏剪定と同様に、枝が混みあっている場所は、間引き剪定を行います。
交差している枝や株の内側に向かって伸びている枝(内向枝)は、根元から切ります。
5.新しく伸びた枝
春以降に新しく伸びた枝の先を、三分の一ほど軽く切り返します。
切り返すことでまた新しい枝が伸びます。
1か所から何本も新しい枝が伸びている場合は、
勢いのある1本か2本を残し、弱いものを切るようにします。
6.古い枝
花をつけるようになって3年ほど経った枝は、
古枝となってしまい、花付きがだんだん悪くなってきます。
古枝になってからは花付きが良くなることはないので、
根元で切って枝の更新をするようにしましょう。
■剪定位置の見極め方
ウメの枝を切る際、根元から切る場合は良いのですが、
枝の途中で切る場合は、芽の方向に注意する必要があります。
枝をよく見ると、芽には方向があり、
外側(下)を向いているものと、
内側(上)を向いているものがあります。
芽はそれぞれの方向に伸びる性質があるので、
外側を向いている枝は下~横向きに伸び、
内側を向いている枝は上に向かって伸びようとします。
上方向に伸びる枝は、徒長枝になりやすく、
徒長枝は花付きが悪くなりがちなので、
できるだけ外側の芽のすぐ上で切るようにしましょう。
ウメ(梅)の実は梅干しにしたり、ウメシロップにしたり、
リキュールにしたりと、いろいろと活用範囲が広いですね。
家庭で育てると、農薬などの心配もなく、安心して利用できます。
育てやすく、花も実も楽しめるので、ぜひ育ててみたい果樹です。
■ウメの実がならない理由は?
早春の花を楽しんだ後は、さわやかな香りの果実が楽しみです。
でも、花があまり咲かなかったり、
ウメの実がなかなかつかないこともあります。
また、せっかく実が付いても、
収穫の前に木から落ちてしまうこともあります。
ウメの実が上手くならない理由はなんでしょう?
1.剪定の方法を間違えている
ウメの木は新梢の伸びる勢いが強く、
剪定を行わないと枝が混み合って風通しが悪くなり、
病害虫の発生の原因となります。
しかし、剪定の時期を間違えると、
余計に新梢が伸びる原因となり、花芽が付きにくくなります。
ウメの花芽が付く時期は7月~8月です。
花芽が付くのを確認し、花芽を切り落とさないように剪定すると、
次の年に花がたくさん咲き、実付きが良くなります。
2.冬に乾燥させ過ぎた
ウメの木を鉢植えで育てているときによく起こる現象です。
冬の寒さから守るため、
鉢を室内に取り込むと、土壌が乾燥しすぎてしまいます。
暖房で乾いた室内では、土に水を与えるだけでは水分不足となり、
蕾が落ちる原因になります。
暖房のきいた室内に置いているときは、土壌にたっぷりと水をやり、
日中には幹や枝に霧吹きをかけて充分に水分を与えます。
ウメは授粉樹があったほうがよく実ります
3.授粉木がない
ウメはほとんどが自家不結実性で、
一本植えているだけでは受粉することができず、
実がならない原因になります。
自家結実しやすい木も中にはありますが、
それでもやはり2本ずつ植える方が実の付きは良くなります。
受粉のために植える木は、同じ品種である必要はありません。
しかし、開花時期が同じものでないと、
受粉することが難しく、効果的ではありません。
また、同じ時期に花をつける品種でも、
周囲にあまり虫がいない環境であったり、
室内で育てている場合は受粉ができません。
このような場合は、自家受粉を行うと確実に受粉できます。
4.樹勢が強すぎる弱すぎる
葉の数が少なかったり、葉の色が悪いときは、
栄養不足によって樹勢が弱くなっている可能性があります。
樹勢が弱いと、実の付きにむらが出てきます。
樹勢が弱い時は、摘果してならす実を少なくし、肥料を多めに与えます。
冬剪定を強めにすると翌年の新梢の伸びが良くなります。
また、夏に水やりを多くすると樹勢が強くなり、
新梢ばかりが伸びて、実の付きが悪くなる原因となります。
剪定したウメの木
5.栄養が不足している
5月~7月の時期に開花時から幼果結実期に、
悪天候続き日照不足になると、果実が栄養不足になってしまいます。
また、窒素成分が不足すると、
少ない栄養分を枝と幼果で取り合うことになります。
結果的に幼果に送られる栄養分が不足してしまいます。
栄養不足になった実は落果してしまいます。
■参考
・ウメの育て方 庭植え|自家受粉品種で栽培を楽に
・ウメの育て方 鉢植え|仕立て方で高収穫に栽培
・ウメの木の剪定方法
ウメは古来からサクラと並んで、
早春を告げる花として、日本人に親しまれてきました。
梅干などに利用できる実ウメが人気ですが、
実ウメの中にも花が美しい品種も多いです。
ウメには、自家受粉できる品種と、
自家受粉しにくい品種があります。
スペースの都合上、庭に2品種植えられない場合は、
花粉の多い甲州最小や竜峡小梅などの小梅型を、
鉢植えにして、受粉樹にすることもできます。
竜峡小梅(リュウキョウコウメ)の花
竜峡小梅は小粒ですが味が良いですね
[ウメ 鉢植えの育て方]
■植え付け時期と場所
・植え付けと管理
ウメの植え付けは、12月~3月に行います。
6号鉢に赤玉土6:腐葉土3:川砂1の割合で混合した土を入れ、
太根を切った苗木を、角度をつけて植え付け、
鉢の倍の高さで切り戻します。
実が生るようになったら、
1年おきに古い根を切り落として植え替えます。
古木になったら、植え替えは3年に1回程度にしてかまいません。
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方
模様木風仕立てにするのが一般的です。
苗木を斜めに植え付け、鉢の倍の高さで切り戻します。
主幹は内芽、外芽と交互に切っていきます。
根が張って株がしっかりするまでは、花を咲かせずに生長を促します。
6~7月の生長期に、新梢に針金をかけると、
枝振りをコントロールできます。
樹勢が強すぎて、徒長枝がたくさん出るときは、
5月中旬ごろに矮化剤をかけて生長を調整します。
ピンク色のウメもかわいらしいです
・剪定
ウメは、剪定しないで長い枝をそのままにしていると、
間のびした樹形になり花付きも悪くなります。
模様木風仕立てにするには、11月~12月に、
主幹の延びた部分を半分に切り戻し、
側枝は左右にバランスよく出るように残し、
不要な枝は付け根で切ります。
鉢の高さの2.5~3倍まで伸びたら、
芯を止め、実の収穫は10果を目安にします。
徒長枝や立ち枝は付け根から落とし、伸ばす枝は切り戻して短果枝をつけさせます。
・水やり
土の表面が乾いたら、たっぷり水を与えます。
特に4月~6月に水切れを起こすと、蕾が落ちる原因になります。
・施肥
植え付け1ヵ月後と、毎年2月、4月、9月の年に3回、
玉肥を3~5個、鉢の縁に埋めてあげましょう。
ウメ(梅)は厳しい寒さに耐え、
いち早く花を咲かせて春の訪れを告げることから、
「百花の魁(さきがけ)」とよばれ、
多くの人々に古来から愛されてきました。
奈良時代以前は、「お花見」といえば、
サクラではなくウメだったそうです。
今でも、湯島天神や隅田公園など、
ウメの名所があちこちにあります。
ウメは花を愛でるだけでなく、実は梅干に加工され、
私たちの生活になくてはならないものになっています。
寒さに強く、栽培はそれほど難しくないため、初心者にもお勧めです。
ウメは花も楽しめます
[ウメ 庭植えの育て方]
■栽培条件と品種の選び方
・栽培条件
日当たりが良く、通気性と水はけの良い、肥沃な土壌を好みます。
日陰で湿気が多い場所では、徒長枝が多くなり、
花芽もつきにくくなるので避けます。
冬暖かい地方では実つきが悪くなりますが、
全国で育てることができます。
・品種選び
ウメは、同じ品種の花粉では受精しないものが多いので、
自家受粉する品種を選ぶと管理がたいへん楽です。
自家受粉する品種には、甲州最小、竜峡小梅、花香実などがあります。
自家受粉しにくい品種では、
相性の良い別の品種のウメを混植する必要があります。
梅干用梅で名高い南高や豊後は、自家受粉しにくい品種です。
■植え付け時期と場所
・植え付け
ウメの苗は冬に出回るので、購入したらすぐに植えつけましょう。
一般的に1月~2月が適期ですが、寒冷地は2月~3月に植え付けます。
接ぎ木部分がしっかりとしていて、
丈夫そうな苗を選ぶことがポイントです。
・植え付け場所
ウメは、品種にもよりますが、
剪定をしないでいると樹高が6~10mにもなります。
ある程度の広さのある場所に植えつけましょう。
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
ウメの実の熟していく色も美しいです
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方
主幹の長さを60~90cmとして、主幹から出ている主枝を2~4本に立てる、
樹形の開心自然形仕立てが最も一般的な仕立て方です。
ある程度の広さを必要とします。
主幹形仕立ては、主枝から出る強い側枝を剪定しますが、
主枝の処理が悪いとどんどん上へ伸びていってしまうので、注意します。
・剪定
ウメの剪定は、夏季(6月~7月)と冬季(12月~1月)に行います。
夏季の剪定では、木の内側の徒長枝を間引いたり、
混みあっている部分の枝を根元から切って、
日当たりと風通しを良くします。
冬季の剪定では、混みあった部分の枝を切り、
新梢は先端を1/3程度切り返すと、短果枝ができて、
実を多くつけるようになります。
>>ウメの木の剪定方法
・施肥
元肥として、植え付け時に有機質肥料や堆肥をすき込んでおきます。
その後は、花が終わった後の3月~4月と、収穫後の7月~8月に、
遅効性の化成肥料や有機質肥料を追肥として与えます。
10月になったら、株から50cmほど離れたところに、
堆肥や有機質肥料をすき込みます。
・受粉
ウメには、自家受粉する品種と、自家受粉しにくい品種があります。
南高や豊後、白加賀など、自家受粉しにくい品種の場合は、
相性の良い他品種を混植します。
花と花を直接つけて受粉する、人工授粉を行うと、確実に受粉します。
・適蕾と適果
結実数が多すぎると実が大きくならないため、
余分な果実を摘果します。
4月までにある程度の数が生理落果する(自然に落ちる)ため、
それが終わった4月下旬~5月上旬頃に摘果します。
5~10cm間隔に1果を目安に摘果します。
傷があったり、病虫害の影響があるもの、形の悪いものを除き、
できるだけ大きな実を残すようにします。
小梅の場合は摘果する必要はほとんどありません。
・収穫
6月中旬~下旬が収穫期です。
利用目的に応じて、収穫期を調整します。
梅酒用にはまだ硬く青い段階で収穫し、
梅干用には黄色く色づき始めたものを収穫します。
■剪定とは
そもそも剪定は、どうして必要なのでしょうか?
ナシなど、大木に育つ樹は、
剪定をせずに放任して栽培すると樹が大きくなりすぎ、
管理や収穫に手間がかかります。
剪定することにより、樹高を抑え、
場合によっては枝を誘引して、
管理しやすいように仕立てます。
また、不必要な枝を切ることにより、
日当たりと風通しがよくなり、樹が健康になり、
病害虫の被害を受けにくくなります。
さらに、古い枝を新しい枝に更新することにより、
花芽がつきやすくなり、収量が上がります。
鳴門 梨畑、梨畑をみると誘引や剪定がわかります
■ナシの剪定の方法
ナシの剪定は、
落葉後~翌年の芽が芽吹くまでの期間に行います。
まず、根元から生えてくる台木(ひこばい)を、
地際から切り取ります。
ひこばいにはトゲが生えているので注意します。
次に、上向きの枝や重なった枝、太目の枝を、
根元から切り落とします。
ナシは、1年枝の先端~数芽と、
2年枝・3年枝の腋芽に花芽がつく性質があります。
そのため、翌年以降の花芽確保のため、
1年枝は枝の途中で切り返し剪定をし、
そこから伸びた枝を翌年の1年枝とします。
花も楽しめます
■主枝にコブがある場合
過去に切り落とした側枝の痕から何度も発芽し、
その都度切り落としていると、
痕がコブ状になることがあります。
コブ状になると硬質化するため、
養分の通過が悪くなり、樹の生長が阻害されます。
コブをきれいに切り落とせば解消できるのですが、
コブは硬質化している上、
主枝に接する部分は大きく広がっているので、
ノコギリで切り落とすのはなかなか苦労します。
剪定する際、枝の付け根の部分を残さないように切り落とすと、
コブの予防になります。
ナシの赤ちゃん
■剪定後の処理
剪定後は、太い枝の切り口に、
水分の蒸発や病原菌の侵入を防ぐため、保護剤を塗りましょう。
本来は切る都度保護剤を塗布するのが一番よいのですが、
作業効率が悪くなります。
できれば剪定当日に塗布したいのですが、
ナシの樹が複数あるなど、当日の塗布が難しい場合は、
翌日以降でもかまわないので、
遅くとも雨が降る前に保護剤を塗りましょう。
ナシの場合、保護剤の最大の目的は胴枯病の予防ですが、
胴枯病は雨により、傷口から感染するためです。
保護剤は、切断面に満遍なく全体を覆うように塗りましょう。
■参考
・ナシの育て方 庭植え|棚仕立てで収穫量を高める栽培
・ナシの育て方 鉢植え|樹上で完熟させてから収穫!
・セイヨウナシの育て方 庭植え|摘果を2回に分けて栽培
・サルナシの育て方 庭植え|キウイフルーツに似て栽培しやすい
・サルナシの育て方 庭植え|キウイフルーツに似て栽培しやすい