カリン、いよいよ色づいてきました
カリンの花も可憐
カリン(花梨)は中国原産で、バラ科の落葉高木です。
ぺルシャ原産のマルメロとよく似ていますが、
果皮の表面に毛が生えているのがマルメロで、
カリンは毛が生えていません。
カリンは、"お金はカリン(借りん)"に通じ、
表の庭に植えるとたいへん縁起が良いとされています。
[カリン 庭植えの育て方]
■栽培条件と品種の選び方
・栽培条件
冷涼な気候を好むため、
リンゴの栽培適地とほぼ重なります。
関東以北や、中部地方の高地などが栽培適地です。
暖かい地方では、生育が旺盛になるため、
生理落果が多くなってしまいます。
日当たり、風通し、水はけがよい場所を好みますが、
適度な湿気も必要です。
・品種選び
カリンには品種がなく、自分の花粉で結実するので、
1本植えれば収穫できます。
■植え付け時期と場所
・植え付け
カリンは12月、または3月に植えつけます。
接ぎ木部分がしっかりとした苗を選びます。
直径50cm、深さ50cmの穴を掘り、掘りあげた土の半量に、
腐葉土か、堆肥と油かすを混ぜて埋め戻します。
その上に何も混ぜていない土を埋め戻し、カリンを植えつけます。
植え付け後は水をたっぷりと与え、50~60cmの高さで切り戻します。
・植え付け場所
カリンは樹高が高く、10mになることもあります。
しかし、あまり広がらないため、
幅4m、奥行き2mほどのスペースがあれば、
植えることができます。
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方
主枝を2~3本出した立木仕立てが一般的です。
カリンの枝は角度が狭く、裂けやすいため、
枝の角度が広い新梢を主枝候補として残し、
角度の狭いものはもとから切ってしまうのがコツです。
・剪定
剪定は12月~1月に行います。
新梢を切り詰め、強めに剪定します。
先端は切り詰めます。
新梢は、花芽の先に葉芽を10芽ほど残して切りつめます。
徒長気味の枝は、1/2ほどを切り返して、短果枝を多く作ります。
中・短果枝は先端に花芽がついているので、
そのままにしておきましょう。
樹の内部にも日が当たるように、
混んだ部分は元から間引きます。
・施肥
カリンは無肥料でも栽培できますが、
土がやせてきたと感じたら、
12月~1月頃に化成肥料や配合肥料を施してあげましょう。
・摘蕾と摘果
カリンは着果数が少ないので摘果の必要はありませんが、
奇形のものや、虫害にあったものは早めに取り除きましょう。
・袋かけ
6月下旬までに袋かけをするとよいです。
袋かけにより、シンクイムシの被害を減らすことができます。
・収穫
果実が緑色から黄色に変わり、
独特のよい香りがしてきたら収穫します。
収穫は、植え付けから4~5年目が目安です。
カリン酒も美味、のどや風邪に効きます