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モモの育て方 庭植え|仕立て方と剪定で糖度アップ!

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モモ、マメな手入れで大収穫


モモ(桃)は、「たのしいひな祭り」の歌詞にもあるように、
早春に愛らしい花を咲かせる果樹です。

果皮に毛が生えているものをモモ、
毛が生えてないものをネクタリンと2種類に分けています。

さらに、果肉の色によっても分けられます。
果肉が白い白肉種と、果肉が黄色い黄肉種があります。
ネクタリンには黄肉種が多いです。

寒さに強く、休眠期にはマイナス15度の、
低温にも耐えることができます。
ただし、甘い果実を作るには、
東北地方中部より南の地方のほうが適しています。
品種を選べば、甘いモモも栽培できます。


[モモ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

・栽培条件
モモは寒さに強いですが、
開花以降に霜の害を受けると、実をつけにくくなります。

実が大きくなる7~8月に十分な日当たりが得られないと、
糖度が上がらず甘くなりません。
そのため栽培の最適地は、東北地方中部以南となります。

また、一定の低温期間のあとに気温が上がり始めることにより、
休眠から目覚めるので、冬に寒くならない地方では、
生育があまりよくありません。

果実が大きくなる7月~8月に雨が少なく、
日当たりが良い地域で、昼夜の温度差が少ない場所が最適です。

・品種選び
モモの品種には、早生から晩生種までいろいろありますが、
果実が大きくなる時期と梅雨が重ならないようにします。
雨に多くあたると実が落ちてしまうので、
ご自分の住む地域の梅雨の時期と、
果実の肥大期が重ならないようにしましょう。

多くのモモは自家受粉しますが、自家受粉しないモモもあります。
自家受粉しない「白桃」「浅間白桃」などを栽培するときは、
花粉の多い「白鳳」「あかつき」などを一緒に植えます。


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西王母(セイオウボ)の花


植え付け時期場所

・植え付け
苗木は12月~3月に植え付けます。
暖かい地方では秋の遅い時期に、
寒い地方では早春に植えつけたほうが良いでしょう。

モモは根の過湿を嫌うので、
植え付けの1~2ヶ月前に腐葉土や堆肥を混ぜ込んで、
水はけの良い土を作っておきます。

傷んだ根や太い根を切り戻し、
根を広げるようにして浅植えにします。

・植え付け場所
モモの根は過湿に弱いので、水はけが良く、
空気を多く含んだ砂礫層(小石や砂が混じった土壌)を好みます。
また耐陰性が弱く、日陰では枝が枯れやすく、実もつかないため、
日当たりの良い場所を選びます。


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
モモは日当たりを非常に好み、日が当たらないと枝が枯れてしまいます。
Y字形の立木仕立て(開心自然形)が一般的ですが、
植え付け時に苗木を70度くらいに傾けて植えると、
全体の日当たりも良くなり、さらにコンパクトに仕立てることができます。

・剪定
モモの剪定は、12月~2月と6月頃の2回行います。

冬の剪定では、混みあった部分の枝や徒長枝は間引き、
樹の内部まで日が当たるようにします。
残した枝は、先端に葉芽が2~3目残るように切り返します。
10cm以下の短果枝には良い実がつきにくいので、
剪定をするときは、中・長果枝を作るようにします。

3年以上の枝からは新芽が出にくいので、
必ず1~2年枝を残すようにします。

6月の剪定では、混みあった部分を剪定し、
果樹の内部、特に果実付近の葉に、
日光が良くあたるようにします。

・施肥
モモは肥料を吸収する力が強いため、
あまり肥料を施す必要はありません。
大事にしすぎて肥料を与えすぎると、
逆に花芽がつかず、実がなりにくくなってしまいます。

収穫後の9月に速効性の化成肥料を、
12月に有機質肥料を与える程度でよいです。

・受粉
ほとんどの品種は自家受粉しますが、
白桃系の桃には花粉がないため、
他の品種の花粉を人工授粉させる必要があります。

人工授粉は、花粉の多い品種の花を、
花粉のない品種のめしべにつけて行います。
5分咲きの時と、満開のときの2回行うと良いでしょう。
人工授粉は、モモの花粉だけでなく、
アンズやウメ、花モモの花粉でも可能です。


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モモ、甘くてみずみずしい


摘蕾摘果
モモは花を多くつけますが、半数以上が自然に落果します。
また、実の数が多すぎると、果実が大きくならず、
樹も弱くなって翌年の花芽が育ちにくくなるため、
摘蕾と摘果を行います。

まず、開花前の3月中旬~下旬に、
長・中果枝についた蕾のうち、
枝の上面にあるものを指でなでるようにして取り除きます。
果実は、下側に育てた方が良く育つので、枝の下面のつぼみは残します。

結実後の摘果は、2回に分けて行います。
1回目の摘果は開花から1ヶ月後に行い、
やや多めに果実を残しておきます。

2回目の摘果は5月中旬~下旬に行い、
最終的に結果枝15~20cm間隔に1果を目安に残します。
10cm以下の短果枝では4~5本に1果程度にします。

・袋かけ
モモノゴマダラメイガやシンクイムシ類などの被害を防ぐため、
摘果したらすぐに袋かけをします。

ただし、袋をかけると、無袋で育てた場合よりも糖度が落ちます。
無袋で栽培する場合は、収穫時期の比較的早い、
ちよひめや、日川白鳳などの品種を選ぶと良いでしょう。

・収穫
7月~8月に収穫します。
袋の底を少し破ってみて、果実全体が乳白色になり、
果頂部に赤みが差してきたら袋をはずします。
白桃系は2週間、その他のモモは1週間ほど日光に当てて着色させ、
十分に熟してよい香りがしてきたら収穫をします。

>>モモ(桃)の苗を見てみる