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ビワの木がかかりやすい病気は?

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ビワ、木の状態をときどきチェックします

ビワというと「大昔からある果物」というイメージがあります。
実際、3千年も昔から果物というよりは、
万病を治す薬効を持つ植物として重宝されていました。

日本でも奈良時代からビワの葉は薬として利用されていたといいます。
ビワの葉には、ブドウ糖、果糖、アミグダリン、ビタミンBが多く含まれます。
現在でもガンや慢性の病気に効果があるとして注目を集めています。


■ビワの木がかかりやすい病気は?

ビワは、実よりは樹木が病気にかかりやすいといわれています。

1.がんしゅ病(ビワ 癌腫病)
主に、葉、果実、枝幹、新梢、樹皮、主根に発病します。

◎症状 
・幹
季節に関係なく、樹木の枝や幹に、
豆粒からバレーボール大のコブができます。
表面はザラザラしていて褐色です。

このコブが多くなると生育が妨げられ、枯れてしまう場合もあります。

・葉
病斑内に黒点粒を生じていない、大型の黄色ぼかし斑を生じます。

・果実
腐っているわけではなく、部分的に黒褐色の円形のかいよう(へこみ)になり、
その後、破れる場合があります。

・芽
芽枯れを起こしてしまいます。

◎原因
細菌性の病気です。

◎対策
・こぶができてしまった枝は切り取ります。
切り口には融合剤を塗り切り口からの感染を防ぎましょう。
伝染する病気ですので切り取った枝はすぐに別の場所に移します。
・樹木に傷をつけないようにします。
・菌の発育適温は25~26℃となります。
梅雨時や9月が枝や幹で発病しやすい時期ですので注意しましょう。
・ナシヒメシンクイやカマキリムシなどの防除を行います。

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良い実をならせましょう


2.ごま色斑点病
主に葉や新梢、新葉に発症します。
◎症状
葉に小さな斑点を多数生じます。
やがて病斑の周辺がぼやけた紫から赤色になってきます。

目立つ病斑ですので気が付きやすいです。
病状が進行すると落葉が激しくなり葉がなくなってしまう場合があります。

◎原因
カビ(糸状菌)

◎対策
・カビは適度な温度と湿度があると瞬く間に広がるので、
葉が乾きやすい通気性の環境を作ります。
・症状を発見したら、その部分はただちに取り除きましょう。早期発見が大切です。
・梅雨など発病しやすい時期は殺菌剤を定期的に散布することで予防できます。

■参考
・ビワの育て方 庭植え|剪定と摘果でよい実を栽培
・ビワの育て方 鉢植え|摘蕾と摘果で甘い実に栽培
・ビワの木につきやすい害虫は?

ビワの木につきやすい害虫は?

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アオドウガネ


ビワ(枇杷)は、3千年も昔から、
魔法の木として人々に親しまれてきました。

ビワの葉をあぶって、すりつぶしたものは、
万病を治す薬とされていました。

ブドウ糖、果糖、タンニン、ビタミンなども豊富に含まれ、
カゼで咳が止まらないときや、熱があるときに、
食べると効果があるといわれています。

葉っぱを入浴剤にするとお肌にも効果的です。
実から葉まであますところなく活用できるのも嬉しいです。


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カメムシ


■ビワの木につきやすい害虫は?

・アオドウガネ
カナブンともいわれています。
成虫はさまざまな植物の葉を食害します。
幼虫は地中で根を食べて成長していきます。

・ワタアブラムシ
葉の裏に寄生します。
葉から汁を吸って成長します。

少量の発生ですと問題ありませんが、
大量発生をすると被害が大きくなりますので、
大量に発生した場合は農薬を利用します。

・カメムシ(チャバネアオカメムシ・クサギカメムシ・ツヤアオカメムシ)
針状のするどい口で、果汁を吸います。
吸われた実はその部分の水分が減りスポンジ状になってしまいます。

袋がけをして防ぐ方法がありますが、カメムシの口はするどく、
袋越しに口を差し込んでくるため、効果が薄い場合があります。

大量発生したときには農薬の散布となります。

・モモチョッキリゾウムシ
4月頃の袋がけ前の実に卵を生みつけます。
卵を生みつけられた実は落果しやすくなります。

卵を生みつけられる前に袋をかけてしまえば、
被害を防ぐことができます。

・モンクロシャチホコ
ビワの新芽、実などを食べます。
成葉を食害し、主脈だけを残します。

実が被害にあうと収穫ができなくなることもありますので要注意です。
早期発見が大切ですので、定期的にチェックをするようにしましょう。

・セミ(ニイニイゼミ・クマゼミ)
夏場に幹から樹液を出しているものがあれば、セミの可能性があります。


■害虫対策のポイント

・早期発見が大切ですので、定期的にチェックしましょう
・大量発生してしまった場合は農薬が効果的です
・地中に潜む害虫もいますので、早期に駆除しましょう

■参考
・ビワの育て方 庭植え|剪定と摘果でよい実を栽培
・ビワの育て方 鉢植え|摘蕾と摘果で甘い実に栽培

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ビワの季節が楽しみ


ビワは丈夫で、日本各地で育てられますが、
冬に咲く花や幼果は寒さに弱いため、
関東南部以北ではよい実がなりません。
鉢植えは凍害を避けるのに有効です。

ビワの花は多く咲きすぎるので、
早めに実の数を制限することが、
甘い実を作る秘訣です。


[ビワ 鉢植え育て方]

植え付け時期場所

植え付け管理
3月下旬~4月中旬に、水はけの良い用土に植え付け、
30~50cmの高さで剪定します。
根が落ち着くまで、水を十分に与えながら日陰で管理します。
根付いたら日当たりの良い場所に移し、冬は室内で管理します。

収穫できるようになったら、1年おきに植え替えます。
植え替え時には、根鉢を1/3ほど崩し、
腐った根などを切って植え替えます。


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新鮮なビワで、ケーキ作り


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
模様木風や、スタンダード仕立てがよいでしょう。

・剪定
植え付け後、2年目までは、
1月~2月に3~4本出た枝を横に誘引します。
あまり枝を作らずに仕立てるのがポイントです。

3年目以降は、9月に剪定します。
この時期になると、新梢の先につぼみが確認できるので、
つぼみのある中心枝を残して、
副梢は1本を残して元から切り落とします。
また、混み合った枝も間引きます。

・水やり
土の表面が乾燥したら、たっぷりと水を与えます。
ビワはどちらかというと乾燥を好むので、
過湿にならないよう注意します。

・施肥
3月と7月下旬~8月中旬に、固形の有機質肥料を4~5粒ずつ、
鉢の縁に埋めてあげます。

摘蕾摘果
ビワは花が多すぎるので、
芽かきや摘房、摘蕾、摘果で実数を制限します。
最終的に1果房に3果くらいにします。

>>ビワの育て方 庭植えはこちら

>>ビワの苗を見てみる

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ビワの結実


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ビワの花


ビワは江戸時代に中国から渡来してきた果樹で、
日本各地で育てられ、親しまれてきました。

丈夫で育てやすいのが特徴で、種から栽培しても、
10年もたたないうちに大木に育ち、
毎年たわわに実をつけてくれています。
剪定を工夫して、小さめに育てると管理しやすいです。

東北南部や新潟県でも実をつけますが、
温暖な気候を好むため、よい果実を作るためには、
房総半島以西の太平洋岸の暖地が栽培適地です。


[ビワ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

・栽培条件
11月~2月に開花しますが、
つぼみや花、幼果は低温に弱く、
-5℃以下になる地方では防寒対策が必要になります。

・品種選び
暖地で栽培する場合はどの品種でもよく育ちますが、
冬にやや気温の低い地域では、晩生の「田中」が適しています。


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ビワでフルーツゼリーを


植え付け時期場所

・植え付け
6月、9月~10月、3月下旬に植え付けができますが、
一般的に3月下旬が最も適期です。

幹が太く、節間が短く詰まっていて、
葉が大きな苗を選びましょう。
株元や根にコブのできる、
ガンシュ病に感染していることがあるので、
よくチェックしてから購入します。

直径50cm、深さ50cmの穴を掘り、
堀り上げた土の半量に腐葉土、油かすを混ぜて埋め戻し、
その上に何も混ぜていない土を埋め戻してから植えつけます。

根鉢は1/3ほど崩し、弱った根などを取ってから植えつけます。
あまり深植えにならないように注意します。

植えつけた後は、不要な枝は付け根から切り取り、
水をたっぷりと与えます。
その後は、ひどい乾燥が続かない限り、
水やりの必要はありません。

苗木を植えつけてから実をつけるようになるまで、
苗木や品種によりますが、2~5年かかります。

植え付け場所
弱酸性で、水はけのよい土壌を好みます。
また、花や幼果は低温に弱いため、
冬でも暖かい陽だまりができる場所が最適です。


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
ビワの果実は、枝先になるため、
すべての枝先を選定することができず、
どうしても樹形が大きく広がりがちです。

そのため、2~3本の主枝を横に寝かせて誘引して低樹高にした、
「開心自然形仕立て」がよいでしょう。

・剪定
ビワの剪定は、つぼみが大きくなる前の9月上旬~中旬に行います。

植え付け翌年に、主枝となる2本を残して他の枝は切ります。
主枝は下に誘引して、横に寝かせます。

2~3年目は、日当たりがよくなるように、
混みあう枝を間引く程度にします。
枝の先端部は切り返しません。

4~5年目以降は、数年実をつけた枝は、
充実させたい枝の上で切り詰め、
新しい勢いのよい枝に更新します。

主枝は数年ごとに更新するため、
主幹近くの新梢は、主枝の予備枝として残しておきます。

・施肥
3月と9月に、株の周囲に混合肥料を施します。

摘蕾摘果
1つの花房に100個も花がつきます。
すべての花を結実させると、実が小さくなり、
また樹も弱ってしまうため、摘蕾を行います。

開花直前に、花の数の多い枝や勢いの弱い枝の花房を切り取り、
花房の数を1/2~1/3程度まで減らします。

さらに開花後の12月頃、摘果を行います。
1花房に5~6段ある果房を、2~3段を残して取り去ります。

幼果が大きくなり始める4月上旬になったら、
葉25枚に1果程度になるように、
1果房あたり2~4果を残して摘果します。

・袋かけ
カミキリムシの被害が心配なら、袋かけをします。
袋かけは4月下旬~5月上旬に行います。
「田中」などの大果品種は1果ごとに、
「茂木」などの小果品種は果房ごとに袋をかけます。

・収穫
オレンジ色が濃くなり、
果実がやわらかくなったものから順次収穫します。

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