ポポーは、なかなか流通に乗らないフルーツですが、
栽培している地域の直売所などでは売られていることもあります
また、ポポーを育てている人におすそ分けとしていただくこともあるでしょう。
基本的には生食するフルーツですし、
種は比較的大きいので、種の採取は難しくありません。
種の採取から発芽までも、少し時間はかかりますが可能です。
ポポーはトロピカルフルーツとして紹介されていることも多いですが、
温暖な地域の植物で、寒さにも比較的強く、寒冷地以外は戸外で越冬が可能です。
種から育てた場合、結実するまでに7年~8年ほどかかることが多いですが、
収穫できた時の喜びは、何物にも代えようがありません。
もし種を手に入れることができたのなら、ぜひチャレンジしてみてください。
■ポポー 種の育て方
・種の採取
ポポーを食べる時に、種を残しておくようにします。
種が大きいので、取りだしやすいかと思いますが、
実を切る時に種も一緒に切ってしまわないように注意しましょう。
残しておいた種を水でよく洗い、表面に残っている果肉などを取り除きます。
よく洗った後、余分な水分をキッチンペーパーなどでふき取ります。
この時、種を乾燥させないようにするのがポイントです。
ポポーの種は、室温で数日置くなどして乾燥させてしまうと、
発芽率が極端に下がってしまいます。
種を洗ったら、すぐに種を播くか、冷蔵庫で保存し、
乾燥しないようにしておきましょう。
ポポーの蕾
ポポーの花
・種播き
ポポーの実が収穫されるのが10月頃なので、実を入手できるのもその頃です。
ポポーの実は収穫して木から離れても追熟し、しかも熟すスピードが速いため、
生での保存に向かない上に、遠くへの輸送も難しいのです。
そのため、種を採取できるのも必然的に秋になります。
ポポーの種が発芽するためには、いくつかの条件があります。
1つは冬を経験していること。
5度以下の寒さを一定期間経験すると、種の休眠が覚め、発芽する体勢になります。
もう1つは発芽温度です。
ポポーの発芽温度は高く、24度~29度とされています。
日本の自然下では、梅雨明け以降でないと、発芽が難しいことがほとんどです。
以上のことから、ポポーの種を播く代表的な方法は2つになります。
◎すぐに播く
種を採取した後、すぐに土に播く方法です。
4号~5号のプラポットか鉢を用意します。
そこに種播き用の用土や、小粒の赤玉土を入れます。
土を入れたら、種が隠れるように播き、
土全体が湿るように水をたっぷりと与えておきます。
ポポーの種は乾燥すると発芽率が悪くなるので、
土が乾かないように管理するようにしましょう。
また、発芽できるのは一度冬を経験してからとなるため、
10月~11月頃に種を播いたものは、翌年にならないと発芽しません。
冬は土が凍らないように注意し、気温が上がってきたら、
土が完全に乾かないように注意しましょう。
◎冷蔵してから播く
冷蔵庫の0度~4度くらいのところに、70日~100日ほど保存しておくことで、
疑似的に冬を経験させることができます。
採取した種を、湿らせた水苔やピートモスで包んで、
ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存します。
種を包むのは水苔やピートモスだけでなく、
湿らせたキッチンペーパーでもいいでしょう。
袋も、普通の透明ビニールでもいいですし、チャックで密閉できる保存袋や、
密閉できるタッパーのような容器でも大丈夫です。
3ヶ月ほど冷蔵庫で保管しておくため、時々中を確認して、
乾燥していないかを見るようにしましょう。
乾燥しかけていたら、周りの水苔などを再度湿らせて、
元と同じようにして保存します。
3ヶ月ほど冷蔵庫で保存したら、その後はいつ種を播いても大丈夫です。
採取してすぐに種を播く時と同様に、鉢などに土を入れて種を播き、発芽まで土が乾燥しないように管理しましょう。
ポポー、着果!
・発芽を早めるコツ
種を採取してすぐに種を播いても、冷蔵保存した後に種を播いても、
気温が上がらなければ発芽はしません。
そのため、どちらの方法を用いても、夏の気温になるまでは発芽が難しくなります。
発芽するまでのドキドキを楽しむのもいいけれど、
できるだけ早く発芽させて大きく育てたいという場合は、
発芽できるだけ気温を上げてあげましょう。
気温が24度~29度になる温室や、育苗ヒーターを使うといいでしょう。
ただし、種を採取してすぐに播いた場合は、
種を播いてすぐに温室やヒーターを使うと、
冬を経験できていないため、発芽することができません。
気温を上げるのは、冬を経験した後となる2月~3月頃以降にしましょう。
冷蔵庫で保存してあった種に関しては、100日以上保存しているものであれば、
種を播いた後すぐに温室やヒーターを使用しても問題ありません。
・日当たり
ポポーは、大きくなれば日当たりの良い場所で育てるようにしますが、
まだ小さいうちは直射に弱いため、半日陰程度の場所で育てるようにします。
特に夏の間は、生育期であるとともに気温も高く、
さらに直射日光が土に当たると土が乾燥しやすくなります。
ポポーは乾燥に弱いため、そのような環境に置いていると、
生育が悪くなったり、悪ければ枯れてしまうこともあります。
耐陰性は多少あるので、半日陰くらいであれば問題なく生育します。
鉢植えで育てるにしても、地植えで育てるにしても、
少なくとも小さな苗のうちは、無理に日当たりの良い場所で育てる必要はありません。
実が大きくなるポポー
・水やり
発芽するまでは、土を乾燥させないように、毎日土の状態をチェックします。
土が乾いていたら水を与え、乾いていなければ無理に与える必要はありません。
発芽した後は、土の表面が乾いていたら水を与えます。
夏は土が乾きやすいため、日中でも土が乾燥していたら水を与えます。
この時、鉢や株元に直射日光が当たると、蒸れてしまうことがあるので、
二重鉢にしたり、遮光ネットを使うなどして、
株元や鉢が日陰になるようにしてあげるのがお勧めです。
・発芽後の管理
発芽した後、数年の間は比較的ゆっくりと育ちます。
鉢の底から根が見えるようであれば、根詰まりの状態になっているので、
一回りか二回り大きい鉢に植え替えます。
これを繰り返し、育てていきます。
地植えにしたい場合は、ある程度大きくなった頃に、
一般的な苗と同じように植え付けをします。
■参考
・ポポーの育て方 庭植え|栽培しやすい美味な南国果樹
・ポポーの育て方 鉢植え|生長に合わせて鉢上げし栽培
・ポポー 苗 販売