フェイジョアの結実
フェイジョア(Feijoa sellowiana)は南米原産の果樹ですが、
寒さに比較的強く、カンキツ類の育つ地域なら栽培が可能で、
トロピカルフルーツとしては比較的栽培が容易です。
フェイジョアの果実は緑色で、熟すと果肉がゼリー状になります。
パイナップルのような甘い香りのする、
食べておいしく花も愛らしく美しい果樹です。
[フェイジョア 庭植えの育て方]
■栽培条件と品種の選び方
・栽培条件
トロピカルフルーツとしては耐寒性がありますが、
長期の低温や、何回も霜にあたると、
落葉したり樹勢が弱まったりして、樹が大きくなりません。
特に収穫間際に霜にあたると、果実が腐ってしまいます。
栽培適地は関東地方南部以西の太平洋岸の暖地です。
土壌は、腐食に富んだ耕土の深い場所を好みますが、
土に対する適応性はとても広いのが特徴です。
フェイジョアは低木性なので、樹高を低く保ちながら、
2~3㎡のスペースで栽培できます。
・品種選び
フェイジョアの品種によっては、
多品種の花粉でないと受粉しないものもあります。
自分の花粉で受粉でき、果実の甘味が強い、
「クーリッジ」や「アポロ」が適しているでしょう。
接ぎ木した部分がしっかりとしている苗木を選びます。
■植え付け時期と場所
・植え付け
寒さの去った3月ごろに植え付けます。
直径・深さ共に50cm程度の穴を掘り、
掘り上げた土の半量に、
その土と同量の堆肥や腐葉土を混ぜ、
油かすを加えて埋め戻します。
その上に、何も混ぜない土を戻します。
フェイジョアの苗木は、根を広げるようにして浅植えにします。
50cmほどの高さで剪定し、支柱を立てて固定します。
植え付け後、周囲に溝を作り、
水をたっぷりと回し入れます。
庭植えでは基本的に水やりは必要ないのですが、
フェイジョアは根を浅く張るので、
夏に高温が続き、乾燥する場合には、
早めに水やりをしましょう。
植え付け後に、乾燥防止と霜よけとして、
マルチングをしておけば、なお良いです。
・植え付け場所
日がよくあたる、風当たりの強くない場所に植え付けます。
日照不足では、実つきが悪くなってしまいます。
フェイジョアの花
フェイジョアの花、群生してもきれい
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方
「主幹形仕立て」か「半円形仕立て」が一般的です。
「主幹形仕立て」の場合は、
1年目の冬に地面から50cm以下の枝を切り取り、
新梢は1/3程度に切り詰めます。
さらに紐などで枝を水平近くに誘引します。
2~3年たったら、混み合った枝や徒長枝を間引き、
樹高を2m程度に維持します。
「半円形仕立て」の場合は、
植え付け2年目に主枝を2本とし、枝を誘引します。
・剪定
フェイジョアの剪定は、
2月中旬~3月、11月~12月に行います。
花芽が枝先に出るため、枝先を切り詰めると、
翌年春に伸びた枝には花がつきません。
そのため成木では、切り詰め剪定をせず、
間引き剪定で樹形を維持します。
・施肥
4月上旬、6月上旬、11月の年3回、配合肥料を施します。
・摘蕾と摘果
植え付け後4~5年で、樹勢も落ち着き、
着果数もかなり多くなってきます。
その頃から、新梢の基部に着いたつぼみを2つ残して、
それより先は摘蕾します。
・収穫
フェイジョアの収穫期は、10月中旬~11月です。
果実は緑色をしているので、
収穫適期を見極めるのが難しいのですが、
熟した果実は手で触るとポロッと取れるので、
それを目安にします。
自然落果したものを収穫しても良いでしょう。
収穫したら、12~15℃で1週間ほど追熟させると、
フェイジョア独特のおいしさを味わえます。