カリンは果樹として昔から人気のある木ですが、
盆栽でも楽しむことができます
小さな盆栽に、大きな実がついている姿も面白く、
カリンの樹皮もとても魅力的です。
年月が経つと、カリンの樹皮は鱗のようにはがれていくため、
独特の模様を出してくれるようになります。
また、春にはピンク色の花を咲かせるので、
1株で3度も見どころのある盆栽となります。
根張りもよく、寒さに強く丈夫で、盆栽初心者の方にもお勧めです。
花も木肌も美しいです
■カリン 盆栽の育て方
・栽培環境
風通しがよく、日当たりの良い場所で育てるようにします。
カリンは、もともと乾燥には強くありません。
盆栽となると土の容量が極端に少ないため、
乾燥を早める西日には当てないようにします。
耐寒性は強いのですが、寒風には当てないように注意します。
・植え付け・植え替え
植え付け・植え替えの適期は、
2月中旬~3月上旬か、9月中旬~10月中旬頃です。
その他の盆栽と、基本の植え付け方は同じです。
植え付けに使う用土は、赤玉土の単用が基本ですが、
赤玉土6と砂2と腐葉土2を合わせたものでも大丈夫です。
カリンは実と樹皮を楽しむ盆栽です。
どのような樹形に仕立てるとしても、
樹皮が美しく見える側を正面にして植え付けます。
カリンは根の生育が旺盛なため、
小さな鉢に植えている場合は、毎年植え替えるようにします。
少し大きな鉢に植えていても、2年に1回は植え替えるようにします。
植え替え時の根の整理は、思い切って行っても問題ありません。
・水やり
水切れしないよう、土の表面が乾いていたら、十分に水を与えます。
特に、結実した後に水切れを起こすと、実が大きく育たなかったり、
途中で落ちることがあるので、注意しましょう。
・肥料
2月と9月に、有機質の固形肥料を与えます。
窒素・リン酸・カリのうち、
リン酸とカリが少し多い肥料が良いです。
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・剪定
・植え替え時の剪定
基本の剪定は、植え替えと同じタイミングで行います。
カリンは短枝に花芽がつくため、短枝を中心に残すようにします。
すでに花芽が確認できる枝は残すようにし、
前年に伸びた枝を2節~3節残して切ります。
下の方の枝は、3節~4節と、少し長めに残しておくと、
樹形が整いやすくなります。
その他、混み合っている部分の不要な枝などは、
付け根から切って整理するようにします。
・6月の剪定
6月頃、春に伸び始めた枝の生長が止まったら、また剪定を行います。
この時は、伸びた枝の先端を少し切り詰めておくようにします。
カリンは、幹の途中から発生する枝や、徒長枝が出やすいので、
もし見つけたら根本から切っておくようにします。
放っておくと、養分をとられてしまうだけでなく、
樹形も崩れ、風通しや日当たりが悪くなることがあります。
・摘果
カリンは実も見どころですが、
盆栽の場合、株に対してとても大きな実がつくことになります。
そのため、結実したものをすべて大きくしてしまうと、
株が疲れて樹勢が弱ることがあります。
小さな盆栽であれば、1個~2個、
大きな盆栽でも、4個くらいを目安に実を残すようにします。
結実した後、残す実を選び、他はすべて摘み取ります。
また、1か所に複数の実がついている場合は、
1つだけ残して、あとは摘果しておくようにしましょう。
■参考
・マルメロとカリンの違いは?
・カリンの育て方 庭植え|剪定での切り戻しがポイント
・カリンの育て方 鉢植え|初夏に針金をかけて栽培
・カリンの食べ方は?
・カリン 種からの育て方