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ブドウの植え替えは?

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[ブドウの植え替えは?]


■ブドウの植え替え時期と回数

ブドウの植え替えを行うのは、
基本的には落葉期である11月~3月の間です。

それ以外の時期でも植え替えはできますが、
やはり落葉して休眠中である11月~3月に植え替えを行う方が、
株への負担が軽く済み、その後の生長が良いです。
また、この時期の植え替えであれば根を触ることもできます。

地植えで育てているものに関しては。
植え替えをわざわざ行う必要はありません。

鉢植えで育てている場合は、何年か同じ鉢で育てていると、
鉢の中が根でいっぱいになってしまいます。

根の生育が鈍ると、地上部の生育も鈍りますし、
花付きや実付きが悪くなるだけでなく、
全体的に元気がなくなり、枯れてしまうこともあります。

鉢植えで育てているのであれば、
少なくとも2年~3年に1回は植え替えるようにしましょう。


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■ブドウの植え替え方法

1. 苗を抜く
まず、今まで育てていた鉢から、
苗を傷めないように抜き取ります。

この時、支柱などをすでに設置している場合は、
先にとりはずしておくようにします。

2. 根鉢を手入れする
根鉢を手で丁寧にほぐします。
ほぐした後、次に植え付ける鉢の大きさに合わせて根を切ります。

それまで植えていた鉢いっぱいに根が育っている場合、
そのまま次の鉢に植え付けても、
すぐに根がいっぱいになることがあるためです。

また、古い根を切ることにより、
新しい根の発生を促すことができます。

根を切る目安は、新しく植え付ける鉢の上に根を広げた時、
鉢からはみ出た分を切るようにします。

3. 株を水につける
根を切った株は、鉢の準備ができるまで、
水を入れたバケツなどに入れておきます。

4. 鉢の準備
最初に植え付けた鉢からサイズを大きくしていき、
最終的には10号サイズの鉢に植え付けるようにします。

それ以降もさらに鉢を大きくしても良いのですが、
植え替えの作業が大変になってくるので、
10号くらいのサイズで止めるのがおすすめです。

鉢の底が隠れる程度に鉢底石を敷き、
その上から鉢の半分くらいが埋まるまで用土を入れます。
*用土は、水はけの良いものに植え替えます。
赤玉土(小)6:腐葉土3:川砂1の割合が良いです。

5. 苗の位置を調整する
用土の上に根を広げた状態で苗を置きます。
鉢の高さと苗の高さを確認し、用土を増減しながら位置を調整します。

6. 用土を足す
根が隠れる程度に用土を足し、根と用土がよく馴染むように、
垂直に指を入れてぎゅっと押し込みます。

7. 用土を落ち着かせる
鉢の縁から2cm~3cm下くらいまで用土を足したら、
鉢を軽く揺すって土を落ち着かせます。

8. 水やりする
最後に鉢底から水が出てくるまで、たっぷりと水を与えておきましょう。

この植え替え方法を行った場合、根を大きく触っているので、
植え付け後2週間ほどは明るい日陰~半日陰で養生させます。

その後、少しずつ日当たりの良い場所に移動させ、
日当たりの良い場所に慣れたら、通常と同じように育てます。


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植え替えは、できるだけ適期にします


■春過ぎに植え替えできる?

植え替えは、落葉期である11月~3月が本来の適期です。
何かの都合でその時期に植え替えができなかった上に、
生育期に入ってから植え替えが必要となった場合は、
適期でなくても植え替えをすることが可能です。

ただし、適期のように根を切るなどは、良くないです。
落葉期の間は、株は休眠状態になっています。

この時期であれば、根を切ったり触ったりしても、
株への負担が軽くて済みます。

ところが、すでに生育期に入っている状態で、
同じように根を触ってしまうと、株への負担が大きくなり、
最悪の場合は枯れてしまうこともあります。

根詰まりなどで適期外に植え替えをすることはできますが、
決して根を触らないようにし、
根鉢すら崩さないように注意が必要になります。

適期外での植え替えを行う場合は、
どちらかというと根が育つスペースを、
ただ広げてあげるだけというイメージです。

◎植え替え適期以外の植え替え手順
今まで育てていた鉢より一回り大きい鉢を用意し、
鉢底石を敷き、その上から用土を少し入れておきます。

今まで育てていた鉢から苗を抜き取ります。
この時、一番底になっている部分の根が、
鉢底石を抱き込んでしまっている場合があります。

その場合は、手で優しく鉢底石を取り除きますが、
無理に根をほぐすようなことはしないように注意しましょう。

鉢底石は無理には取り除かず、取れる分だけに止めておきます。
抜き取った株は、根鉢を崩さないように注意しながら、
新しい鉢に植え付けます。

植え付けた後は、水をたっぷりと与え、
2週間ほどは明るい日陰~半日陰で養生させておきましょう。

その後はだんだんと日当たりの良い場所に慣らしていき、
通常と同じ管理をします。

■参考
・ブドウの育て方 鉢植え|隔年収穫で大きく甘い実を栽培
・ブドウの育て方 庭植え1|新梢の伸び方に注意し収穫量を多く
◎ブドウ 鉢植えの育て方 図解

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ブドウは、鉢栽培もできる


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観賞にも美しいブドウ


ブドウの鉢栽培には、デラウェア、スチューベンなどの、
中~小粒の品種が栽培しやすく向いています。

日当たりの良い葉が多いと収穫量が増えます。
葉の日当たりが悪いと、なかなか熟さず、
色づきの悪いすっぱい実になってしまいます。


[ブドウ 鉢植え育て方]

植え付け時期場所

植え付け管理
3月に、7~10号鉢に、水はけの良い土で植え付けます。
赤玉土(小)6:腐葉土3:川砂1の割合で混合した用土がよいでしょう。
長い根は切らずに鉢に回し入れるようにしておさめます。
2芽残して剪定し、日当たり、風通しの良い場所で管理します。

梅雨の時期は、雨の当たらない軒下などに移します。

2年に一度は、古根を整理して、
新しい用土で一回り大きな鉢に植え替えます。


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採りたてのブドウでゼリーを


仕立て方剪定から収穫まで

仕立て方剪定
あんどん仕立てが一般的です。

1年目は支柱を1本立てて枝を支えます。
伸びる枝は順次ヒモで誘引し、副梢はかき取ります。

2年目の3月上旬~中旬にあんどん支柱を立てて、
枝を2回巻いて剪定します。
その後に伸びた新梢は、
前年枝が見えないように巻きつけて誘引します。

1月、充実した新梢を2芽で切り返して植え替え、
元気のよい1芽を伸ばし、同じように育てます。
1回実をつけたら、1年は結実させません。

・水やり
土の表面が乾いたら、鉢底から抜けるくらいたっぷり水やりをします。

・施肥
植え付け1ヵ月後に玉肥を4~5個、鉢の縁に等間隔に埋め込みます。
5月~6月中旬には、即効性の液肥を追肥し、枝の育成を促します。

樹形ができてからは、玉肥を埋め込むだけで大丈夫です。

摘蕾摘果
ブドウの鉢植えは、2年目の秋から収穫できます。
1新梢に2房、1鉢では5~6房になる用に摘房します。

>>ブドウの苗を見てみる

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ブドウ、マスカット結実

*ブドウの育て方 庭植え1|新梢の伸び方に注意し収穫量を多く
から続いています。

植え付け時期場所

・植え付け
直径、深さ共に50cm程度の穴を掘ります。
半量に腐葉土と油かすを混ぜて穴に戻し、
その上に何も混ぜてない土をかぶせ、穴を埋め戻します。

苗木をポットから取り出して土を落とし、
水を張ったバケツで軽く振り洗いをし、
30分~1時間くらい水につけ、苗木に水を吸水させます。

吸水させたら、苗木の根をよく見て、
折れている根や太い根を切り戻します。
このとき、細根は傷めないように気をつけます。

根が伸びる方向にあわせて根を広げて、植え付けます。
土をかぶせたら、株の周囲にたっぷりと水を流し入れます。

1mほどの長さの支柱を立て、苗木をヒモで支柱に結んで支えます。

60~70cmくらいの高さで剪定します。
このとき、良い芽を選んで、
その芽とその上の芽の中間辺りで剪定します。

・植え付け場所
夏の生長期によく日が当たる場所を選びます。
ブドウは土の湿り気を嫌うので、
水はけさえよければ、乾燥地でもやせ地でも育ちます。


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ブドウの葉から木漏れ日が


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
ブドウはつる性で、若くてまだ柔らかい枝なら、
自由に動かすことができるので、
いろいろな仕立て方が可能です。

植え付け場所が5m四方ほど確保できれば、
主枝を2本左右に出した「自然形棚仕立て」ができます。

奥行きが取れなかったり、
南向きのフェンスや壁沿いに作るのなら、
「垣根仕立て」もできます。

あまりスペースが取れなくても、
「棒仕立て」にすれば栽培が容易にできます。

・剪定
ブドウは、春に伸びる新梢にその年結実します。
そのため、12月~2月のうちに剪定を行います。
この時期に樹形を維持するために枝を切り詰め、棚などに誘引しておきます。

4年目以降は、混み合った主枝や亜主枝の先端部分を更新剪定します。
太く長い枝は、その長さの半分程度のところから出ている、
側枝の先で剪定し、毎年若い枝に更新します。

・施肥
寒肥として1~2月に緩効性化成肥料を施します。
老木になって、樹も大きくなったら、500gは必要です。

摘蕾摘果
房の各粒を大きくするために、また味を良くするために、
花が開花する5月中旬に、ハサミを使って房を切り込み、
房作りを行っていきましょう。

房の先端1cmほどと主枝近くの花穂を切り取り、
また、伸びすぎた部分を切り詰めて形を整えます。

さらに、摘房も行います。
長さ50cmほどの弱い新梢では3本に1房、
1mほどの新梢には2本に1房、
2mほどの強い新梢には1本に1房、
になるように摘房します。

満開から1ヶ月以内に、摘粒を行います。
果房の先端を切り去り、房を10~13段ほどにします。
さらに、生育の悪い粒を間引いて隙間を作り、
残った粒が大きく育つようにします。


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ブドウの袋かけのようす


・袋かけ
摘粒を行った後、袋かけをします。
袋かけにより、黒痘病やおそ腐れ病を防ぎます。

・収穫
枝になったままで十分に熟させ、
色づいて香りが良くなったものから収穫します。
ブドウは軸が硬いため、ハサミを使って切り取ります。

>>ブドウの苗を見てみる

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ブドウの実り


ブドウは店頭でもおなじみのように品種が豊富で、
果実の色も形もさまざまで楽しみながら栽培できます。

ブドウには、ヨーロッパ系とアメリカ系の2つに大別されます。

ヨーロッパ系は房が大きいのですが、
雨に弱く、裂果や病害が発生しやすいという短所があります。
アメリカ系は雨には強いのですが、
皮が厚く、孤臭という独特のブドウ臭が強いです。

日本では、ヨーロッパ系とアメリカ系との交雑種が、
主に栽培されていて、品質が良く、
比較的つくりやすく改良されています。

ブドウ栽培のポイントは、新梢の管理です。
新梢の勢いが強すぎると、落果したり品質が悪くなったりします。
逆に勢いが弱いと、結実が少なく、果実も大きくなりません。

ブドウの栽培は、新梢の伸び方に注意しながら、
剪定や芽かき、摘芯や摘房・摘粒、施肥を、
適切に行うことが大切なのです。


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ブドウ狩りが自宅で


[ブドウ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

・栽培条件
ブドウは暑さや寒さ、乾燥にも強く、
日本全国で栽培することができます。
土質もあまり選びませんが、
水はけと通気性の良い土壌が最も適しています。

・品種選び
ブドウには多くの品種がありますが、
樹勢が弱~中程度の「デラウエア」「マスカット・ベリーA」
「ナイアガラ」などが栽培しやすいでしょう。

自分の花粉で受粉するので、栽培は1品種で大丈夫です。

「巨峰」「ピオーネ」などの品種は有名ですが、
開花しても受粉がおこなわれずに落花したり、
結実しても幼果のうちに落果したりすることがあり、
栽培はなかなか難しいです。

しかし、これらの品種でも、ジベレリン処理を行うことによって、
種のない巨大粒を作ることができます。

ジベレリンは植物ホルモンの一種で、
このジベレリンの水溶液に果房を浸すことによって、
種なしにしたり、果実の肥大促進を図ることができます。

栽培品種のブドウの根には、
ブドウネアブラムシ(ブドウフィロキセラ)がついて木が弱ります。

そのため、アメリカ原産の抵抗性のある野生種をもとにしてつくられた、
フィロキセラ抵抗性台木を使用した苗を買い求めるとよいでしょう。

台木の種類によって耐寒性や収穫量、
実の品質にかなり差が出るので、
多少高価でも、よい接ぎ木苗を選ぶようにします。

*ブドウの育て方 庭植え2|植え付けから剪定と収穫まで
に続きます。

>>ブドウの苗を見てみる