アボカドの結実
アボカドは「森のバター」といわれるほど栄養が豊富で、
全体の20%が脂肪分という濃厚な味わいです。
その脂肪分の大部分は植物性の不飽和脂肪酸のため、
コレステロールの心配もありません。
ビタミンやミネラルのバランスも良い、
たいへん健康的な食品といえます。
[アボカド 庭植えの育て方]
■栽培条件と品種の選び方
・栽培条件
アボカドは熱帯性の果樹ですが、比較的寒さに強いほうで、
ウンシュウミカンが栽培できる関東南部以南ならば庭植えも可能です。
ただし、冬の寒風には弱いので、
防寒対策を十分に行わなければなりません。
・品種選び
アボカドには、午前中に受粉適期となって午後に花が閉じ、
翌日の午後に花粉が出て花が終わるAタイプと、
開花した日の午後に受粉適期となっていったん閉じ、
翌日の午前中に花粉が出て花が終わるBタイプがあります。
それぞれから1種類以上植え、互いに人工授粉をします。
Aタイプなら、「ジャルヤ」や「メキシコラ」、
Bタイプなら、「ベーコン」や「フェルテ」、「ズタノ」がよいでしょう。
■植え付け時期と場所
・植え付け
アボカドの植え付けは、4月~5月に行います。
アボカドは根を深く張るので、水はけが良く、
地下水が深い砂質土で、酸性土を好みます。
・植え付け場所
日当たりがよく、冬に暖かい場所を選びます。
アボカドの苗
アボカドでサラダ
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方と剪定
アボカドの品種によって、立ち性のものと横張り性のものがあります。
スペースがあれば、杯状仕立てにします。
摘芯で側枝を増やし、徒長させないように気をつけます。
アボカドは樹勢が強いので、
成長後は枝葉が混み合わないように間引き剪定をして、
樹冠内部にまで光が入るようにします。
・施肥
葉が弱らないように、3月、7月下旬、10月に緩効性化成肥料を施します。
・摘蕾と摘果
11月に花芽分化が始まり、
ゴールデンウィークの頃から花が咲き始めます。
枝の先端部分に花が無数に咲きますが、
生理落果が多く、結実するのはほんのわずかなため、
摘蕾と摘果は必要ないでしょう。
・収穫
アボカドの実は夏に大きくなりますが、
収穫は12月~3月で、果皮が黒くなってから手でもいで収穫します。
皮に傷が付くと早く傷むので、ていねいに収穫します。
室内に2週間ほど置くと、成熟します。
冷蔵庫の野菜室でなら、1ヶ月程度保存できます。