スポンサードリンク

アンズの育て方 庭植え|人工授粉で結実を確実に栽培


anzuA.jpg

アンズの結実


アンズ(杏)は平安時代から日本人に親しまれてきました。
原産地の中国では、タネが漢方薬の材料として利用されています。

淡紅色の花は3月下旬に開花し、梅に次いで咲く早春を告げる花です。

果実はジャムや果実酒、ドライフルーツに加工されますが、
完熟した果実は生食してもおいしいです。



anzusyu250.jpg

アンズ酒は、香りが良く美味


[アンズ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

・栽培条件
アンズは寒さに強いため、
北海道北部と東部以外の日本各地で栽培できます。
リンゴと同じように雨に弱く、やや乾燥した気候を好みます。

適切に剪定しないと大きくなりすぎるため、
あまりスペースの無い場所に植えるときは、
コンパクトに仕立てましょう。

・品種選び
アンズは自分の花粉で実をつけますが、
実つきを確実にするには人工授粉をします。

開花期が同じアンズの多品種がベストですが、
同じバラ科サクラ属の果樹である、
ウメ、スモモ、モモの花粉も利用できます。
ただし開花期が少々ずれるため、
受粉のタイミングが合わないこともあります。

品種は、目的に合わせて選びましょう。
家庭栽培向きなのは下記の4品種です。

・信州大実...大きな実をつけます
・平和...大きな花が美しく、実つきが良いです
・ゴールド・コット、ハーコット...裂果しにくく、生食・加工の両方に向きます


植え付け時期場所

・植え付け
アンズの植え付け時期は、
関東以南では12~2月頃、関東以北では3月が適期です。

根を四方によく広げ、深植えにならないように植えつけます。
周囲に溝を作り、水をたっぷりと回し入れます。
下から50~60cmあたりにある良い芽を選んで、
その上で切り返します。

・植え付け場所
湿気の多い肥沃な土地を好みますが、水はけが良いことも大切です。
日当たりと風通しの良い場所に植えつけましょう。

樹高はやや高くなるため、
庭木としては横庭や裏庭などに適しています。
コンパクトに育てても、5m四方程度のスペースが必要です。


anzunohana2.jpg
杏の花は形も匂いも良い


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
3本仕立ての立木仕立てが一般的です。
太い枝にウメやモモを高接ぎして楽しむこともできます。

高接ぎとは接ぎ木の一種で、
1本の樹に多くの品種の果実をならせることができます。
高接ぎの方法には、次の2種類があります。
・切り接ぎ...枝を切断して、その切り口に枝を挿します
・腹接ぎ...枝の途中に芽を接ぎます

・剪定
剪定は12月中旬~2月に行います。
アンズは2年目の枝に花を咲かせるため、
実をつけた古い枝は切って、新しい芽が伸びるのを助けます。

昨年伸びだした新梢は先端1/3ほど切り詰め、短果枝を発生させます。
まっすぐに伸びている徒長枝や、混んだ部分の枝は切り取ります。

夏(6月中旬~7月中旬)に軽く整枝します。
枝が込み合い、葉が茂ってきたら、
混みあった所を整理して風通しを良くします。
徒長枝や株の内側に向かって伸びている枝、
細く弱い枝などを取り除きます。

・施肥
アンズはあまり肥料を必要としない果実ですが、
12月に、株から50cmほど離して、
株を取り囲むように深さ20cmほどの溝を掘り、
有機質肥料などを施します。

また収穫後の7月頃に、お礼肥として液肥を施します。

・受粉
アンズの多くは自家受粉をしますが、
確実に実をならせるためには人工授粉をしたほうがよいです。
多品種のアンズの花や、モモ、スモモ、ウメなどの花を直接つけて受粉します。

摘蕾摘果
アンズの花は美しく、花も楽しめるため、
摘蕾はしなくてもかまいません。
そのかわり、開花後1ヶ月ほどたって、
実が小指の先くらいの大きさになったら摘果を行います。

1ヶ所にたくさんついているところを中心に、
小さい実や傷んだ実などを取り除き、
最終的に果実の間隔が7cmほどになるようにします。

・収穫
開花後85日くらいたち、
皮全体が黄色になった頃が収穫期です。

>>アンズの苗を見てみる