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ナシの育て方 庭植え|棚仕立てで収穫量を高める栽培

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ナシ畑


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ナシの花もきれい


ナシといえば、リンゴのような形のアジア系ナシと、
いわゆる洋ナシ型のセイヨウナシ、中国ナシに分類されます。

ここでは、以前から日本で栽培されてきた、
アジア系ナシの栽培方法についてご説明しています。

アジア系ナシはもともと日本の中部地方以南に自生していた、
ニホンヤマナシを改良したものです。

そのため、日本の多湿な気候に順応した果樹です。
日当たりが良く、適度に水分があれば、土質を選ばずに良く育ちます。


[ナシ 庭植え育て方]

栽培条件品種選び方

栽培条件
日当たりが良く、湿度があまり高くない場所で、
適度に保湿力のある土壌が栽培に向いています。

・品種選び
ナシは雨に強いとはいえ、梅雨で雨や曇天が続くと、
黒斑病の発生が起こってしまいます。
しかし、「豊水」や「幸水」などの赤ナシ系は、
多湿に強いため、家庭園芸向きです。

また、ナシは自家受粉せず、
多品種の花粉を受粉しなければなりません。

受粉樹を用意したり、多品種を混植しても良いですが、
ナシは接ぎ木が簡単なので、
1本の木に数品種の受粉樹を高接ぎしても良いでしょう。

人工受粉も、高接ぎの場合も、
日本ナシとセイヨウナシの組み合わせも可能です。


植え付け時期場所

・植え付け
3月頃に植えつけます。
直径50cm、深さ50cmの穴を掘り、
掘りあげた土の半分に腐葉土か、
堆肥を18L混ぜ込んで埋め戻します。

その上に、何も混ぜていない土を埋め戻し、
ナシの木の根をよく広げて浅植えにします。
このとき、太い根や切れた根は切っておきます。
植え付け後は70~80cmの高さに剪定し、支柱を立てます。

・植え付け場所
ナシは日陰に弱いため、日当たりの良い場所に植えつけます。
水はけの良い土壌を好みますが、
乾燥には弱いため、保湿力もある土壌が最適です。


仕立て方剪定から収穫まで

・仕立て方
最もお勧めなのは、「棚仕立て」です。
樹形がコンパクトなわりに、収量が多くなります。
また、剪定や摘蕾・摘果も棚仕立てなら楽です。

その他の仕立て方としては、
1本の主幹から真横に枝を誘引する「パレット仕立て」も、
壁面や塀に張り付くように仕立てるため場所をとらず、お勧めです。

また、主幹を2本つけた「U字形仕立て」や、
「立ち木仕立て」「扇状形仕立て」などもできます。

・剪定
冬の剪定は、樹が休眠している1月~2月に行います。
枝が込み合っているところは切り取り、
残した枝は形よく誘引します。

また、枝の先端は、花芽と葉芽のある芽の上で切ります。

切り取る枝は、下記のような枝です。
・古い枝
・真下を向いている枝
・まっすぐ上を向いている枝
・葉芽しかない枝
・平行して伸びている枝の一方
 (花芽の多くあるほうの枝を残します)

夏の剪定は、6月下旬頃に行います。
この時期になると枝が込み合って、
日当たりが悪くなるので、伸びた枝を整理します。
他の枝の邪魔をしているような実のない枝は、
もとから切り取ってしまいます。
その他の枝は、支柱などに誘引します。

・施肥
収穫後の10月と、12~1月に元肥として、
化成肥料か堆肥を施します。

・受粉
受粉樹が近くにあれば、虫によって受粉されますが、
確実に結実させるなら人工授粉をしましょう。
ナシの花は1つの花芽から7~8個の花をつけますが、
外側から3~4番目の花が最も大きな実になるので、
これらの花に受粉しましょう。


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人工授粉が効果的


摘蕾摘果
枝の先端で咲いている花は、人工授粉せずに芽かきします。
枝の先端で結実してしまうと、
果実の重みで枝が折れることがあるからです。

摘果は2回に分けて行います。

1回目の摘果は、開花後30~40日以内に行います。
1つの花のかたまりのうち、
最も大きく結実した果実を1つ残して摘果します。

1回目の摘果の10~20日後に、
果実の形や大きさ、病虫害の有無などを見て、
2~3個のうち1個を残して摘果します。

・袋かけ
袋かけをすると、甘さが落ちてしまうのですが、
袋かけをすることによって農薬を最小限に抑えて、
病虫害から果実を守ることが出来ます。
袋かけは、摘果が終わってから、
5月下旬~梅雨入りまでに行います。

開花中に薬剤を散布して、
赤星病や黒星病などの予防をする方法もありますが、
「菊水」「八幸」などの青ナシは袋をかけたほうが良いでしょう。
「幸水」「豊水」「新水」などの赤ナシは、
農薬をまいたなら袋かけをせず、
日に当てて甘味を増すようにしても良いでしょう。

・収穫
ナシは、苗を植えつけてから3年で収穫できるようになります。
枝の先端から順に熟すので、熟したものから順に収穫しましょう。

>>ナシの苗を見てみる