ナツミカンの結実
ナツミカン(夏ミカン)は日本原産のカンキツ類で、
ナツダダイやナツカンとも呼ばれています。
樹勢が強く、毎年実をつけ、病虫害にも強く、
育てやすいカンキツ類です。
しかし耐寒性はウンシュウミカンよりやや劣るため、
庭植えは関東地方南部以西となります。
果実が多く収穫できるため、
1本あれば生で食べるほかにも、
マーマレードやお菓子に利用でき、
重宝する果樹です。
[ナツミカン 庭植えの育て方]
■栽培条件と品種の選び方
・栽培条件
冬に-3℃以下にならない地域でないと、
育てるのが難しいでしょう。
暖かな地域ほど、味の良い果実ができます。
・品種選び
ナツミカンはもともと酸味の強い果物ですが、
現在市販されているほとんどは、
酸味があまり強くない品種「アマナツ(川野ナツダイダイ)」です。
その他にも、「新甘夏」「立花オレンジ」「紅甘夏」なども良い品種です。
ナツミカンは自家受粉するので、1本で収穫できます。
また、ハッサクなどの受粉樹としても、利用されています。
ナツミカン、ずっしりと重い
ナツミカンの花
■植え付け時期と場所
・植え付け
寒さが過ぎた3月下旬~4月に植え付けます。
直径・深さ共に50cm程度の穴を掘り、
掘り上げた土の半量に堆肥や腐葉土、
鶏糞を混ぜ込み、埋め戻します。
その上に、何も混ぜてない土を埋め戻し、
深植えにならないように注意して植え付けます。
植え付け後、苗木は高さ50~60cmくらいに切り詰めます。
・植え付け場所南向きで、冬の寒風が当たらない、
陽だまりのような場所を選んで植え付けます。
ナツミカンは、水はけと保水性が良く、
有機質に富んだやや酸性の土壌を好みます。
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方
「主幹形仕立て」か「半円形仕立て」が一般的です。
・剪定
2月~3月に、冬の剪定を行います。
混み合った部分の枝を間引きますが、
新梢の先に花芽が付くので、
剪定のときに切らないように注意します。
5月上旬に、長い枝を切り詰めます。
・施肥
3月上旬、6月上旬、11月の年3回、
春肥、夏肥、秋肥を施しますが、夏は春や秋の半量とします。
・摘蕾と摘果
7月~9月に摘果をして、
最終的に葉50~60枚に2~3果とします。
残す果実の数が多いと思われるかもしれませんが、
冬の間の低温による落果や生理落果が多いため、
それを見越して多めに果実を残します。
・収穫
東京など栽培の北限に近い地域や、酸味の強い普通種では、
5月~6月に収穫します。
アマナツは、3月~4月に収穫します。
よく色づいたものから、ハサミを使って果柄を切り取ります。