クワは、カイコのエサとして有名
クワの実の美しさ
クワの実は、マルベリー(Mulberry) ともいい、
甘く、かすかに酸味があります。
クワの樹は樹高が10mほどにもなるので、
剪定を行い、3~5mくらいで育てると良いでしょう。
樹勢が強く、植え付けから1~3年と早く収穫できるのが魅力です。
クワの葉や実は古くから生薬(しょうやく)として用いられてきました。
漢方では、せき止めやぜんそくに効き、
血液の流れを良くしたり、滋養強壮の効果があるといわれています。
[クワ 庭植えの育て方]
■栽培条件と品種の選び方
・栽培条件
日本各地に自生している果樹なので、日本全国で栽培できます。
しかし、東北北部以北では、
寒さ対策をしっかりしないと栽培は少し難しいです。
東北南部以南では、樹勢も強いため、栽培は簡単です。
・品種選び
果実が黒紫色に熟す従来のクワは、
養蚕には向きますが、果実の味がいまひとつです。
家庭果樹用には、味の良い栽培品種の、
「ポップベリー」「雲南マルベリー」などがよいでしょう。
クワは挿し木でも増やせる
■植え付け時期と場所
・植え付け
植え付けは、3月に行います。
クワは、根を深く張るため、
植え穴を大きく深めに掘って植えつけます。
掘った穴に堆肥や腐葉土をすきこんで、
植え付けた後にたっぷりと水やりをします。
・植え付け場所土質は特にこだわる必要ありません。
やせ地でも育ちます。
日当たりを好みますが、耐陰性もあります。
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方
「自然樹形」に仕立てるか、支柱を使って主枝を左右に誘引する、
「一文字仕立て」が一般的です。
自然樹形に仕立てるときは、高木化しないようにしっかりと剪定し、
3~5m程度に樹高を抑えます。
剪定は1月~2月に行い、余分な枝を整理しましょう。
・施肥
施肥は10月中旬~下旬、3月に施します。
樹勢が強いため、肥料は控えめにします。
・摘蕾と摘果
クワは、1ヶ所に多くの実をつけるため、
5月頃、幼果のうちに、
1箇所あたり2~3個ずつ残して摘果します。
・収穫
6月~7月に、房状の小さな果実がブドウのように垂れ下がります。
クワの実は、生で食べるほかに、ジャムや果実酒に利用できます。