ヤマモモの愛らしい実
ヤマモモは、千葉県以西の太平洋側の山地に自生していて、
樹姿がよいため、庭木や街路樹などによく植えられています。
寒さには比較的弱いですが、暖かい地方なら、
丈夫でやせ地の酸性土壌でもよく育つため、
ほとんど手がかかりません。
雌花を咲かせる樹と、雄花を咲かせる樹があるので、
実を収穫するためには両方の株を混植しなければなりません。
また、ヤマモモは隔年結果が多く、
収穫量が多い年と少ない年が交互になります。
実から育てると果実を付けるまでに15~20年もかかりますが、
接ぎ木苗なら、植え付けから4~5年で収穫できます。
[ヤマモモ 庭植えの育て方]
■栽培条件と品種の選び方
・栽培条件
ヤマモモは、根に根粒菌という細菌がついて、
栄養分を供給してくれるため、やせた土壌でもよく育ちます。
耐寒性はやや弱く、平均気温15度ほどの、
比較的暖かい気候が適しているため、
栽培適地は千葉県以西の太平洋側の暖地です。
・品種選び
ヤマモモには20種類以上の品種がありますが、
実の大きい「森口」「瑞光」が一般的です。
ヤマモモの花
■植え付け時期と場所
・植え付け
3月下旬~4月上旬に植え付けます。
ヤマモモの根はとても傷みやすいので、
根鉢はできるだけ崩さないように注意して植え付けます。
植え付けたら、1/3ほど切り詰め、水をたっぷりと与えます。
・植え付け場所
ヤマモモは寒さに比較的弱いので、
冬でもあまり冷たい風の当たらない、
日当たりのよい場所に植えつけましょう。
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方
樹勢が強く、高木になるので、
2.5mくらいで高さを抑えて、
枝を横に広げる開心自然形仕立てがよいでしょう。
・剪定
剪定は1月~3月に行います。
主枝は2~3本にして軽く切り詰めます。
混み合った部分は、下向きの枝や徒長枝などを、
付け根から切り落とす間引き剪定をします。
樹高が2.5mほどになったら芯を止め、
側枝も切り詰めずに更新剪定で、
樹形を維持していきましょう。
・施肥
根についた根粒菌が栄養分を補給してくれるので、
施肥は特に必要ありません。
・摘蕾と摘果
ヤマモモは、実が大変多くつくので、摘果は無理です。
実つきの多い年(表年)は、実のついた枝ごと切り落とし、
株の消耗をできるだけ抑えましょう。
・収穫
果皮の色が暗赤色になって落ちるので、すぐに拾い集めます。
ネットを敷いておいて、木をゆすって実を落としてもよいでしょう。