ギンナンがたわわに実る
イチョウの種子がギンナン(銀杏)です。
イチョウは雌雄異株で、雄木と雌木があり、
雌木しか結実しないため、受粉するためには雄木が必要です。
雄木の花粉は風で1km四方に飛散するといわれていますので、
その範囲内に雄木があれば、わざわざ雄木を植える必要はありません。
イチョウは街路樹や寺社の境内、公園などに、
植えられていることが多いので、たいていの場合大丈夫です。
我が家の近くにも、川の土手に1本だけイチョウが生えていますが、
毎年、たくさんの実をつけてくれます。
我が家の近くではこの1本しかイチョウは見かけないのですが、
きっとどこかに植えられているのでしょうね。
どうしても雄木がない場合は、
雌木に雄木の枝を高継ぎするという方法もあります。
[ギンナン 庭植えの育て方]
■栽培条件と品種の選び方
・栽培条件
ギンナンは耐寒性も耐暑性もあり、日本全国で栽培できます。
しかし、台風の被害を受けやすい地域や、
開花期に晩霜の被害を受けやすい地域では、実つきが悪くなります。
・品種選び
ギンナンは、結実するまでに時間のかかる果樹です。
実生のものでは30年もかかるといわれています。
一般に売られている苗は、雌木を接木した苗で、
結実はかなり早まりますが、それでも5~6年はかかります。
「金兵衛」「久寿」といった品種は、結実し始めるのが比較的早い品種です。
イチョウの紅葉もきれい
ギンナンの炊き込みごはん
■植え付け時期と場所
・植え付け
苗木の植え付けは、12月~3月に行います。
実生の苗木と接木苗がありますが、
実生の苗木では結実するまで長くかかるので、
必ず雌木の接木苗を購入しましょう。
植え付け場所には、あらかじめ、
堆肥、鶏糞、化成肥料をすきこんでおきます。
・植え付け場所
ギンナンは巨木となるので、10m四方のスペースを確保します。
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方
幼木~若木の頃は「主幹形」にして、
樹高が高くなるにしたがって、
「変則主幹形」か「開心自然形」に仕立てます。
幼木のうちに枝を誘引して引き下げてやると、
早く結実するようになります。
変則主幹形仕立てでは、主幹を2~3mの高さで切り、
低い樹高で日当たりの良い形にします。
開心自然形仕立てでは、主幹を短くし、
主枝を2~4本、斜めに育てます。
・剪定
剪定は1月~2月に行います。
ギンナンの剪定は、混み合う部分の枝を間引いて、
日当たりを良くする程度で、
他の果樹のような細かな剪定は特に必要ありません。
・施肥
植えつけ間もない頃は特に生長が鈍いので、
十分に施肥を行います。
11月~12月に堆肥、鶏糞、化成肥料を、
結実するようになったら5月~6月に速効性の化成肥料を与えます。
・収穫
果実は成熟すると落果するので、落果したものを収穫します。
木をゆすって落果させてもよいでしょう。
ギンナンの実は臭い果肉に包まれています。
果肉は皮膚につくとかぶれることがあるので、
ゴム手袋などを付けて果肉を洗い落としましょう。
靴で実を踏みつけて種だけを取り出すと、かなり臭います。
周囲に人家があるところでは行わないほうが賢明です。
果実ごと収穫しましょう。
果肉をむくのに、水につけておいて、
腐らせるという方法もありますが、
きれいにむける反面、非常に強い悪臭を振りまきます。
ビニール袋などに入れたまま、
果肉をもんで実だけをざるなどにとり、
洗うと臭いが少なく作業できます。