キウイフルーツの結実
キウイフルーツの花、良い香り
キウイフルーツ(kiwifruit)は、マタタビ科マタタビ属の、
雌雄異株の落葉性の植物です。
キウイフルーツというと、鳥のキウイと同じ名前であることから、
ニュージーランドをイメージしますが、実は原産国は中国揚子江流域です。
ニュージーランドで果樹として改良され、
昭和40年代に日本にもたらされました。
実の形が鳥のキウイに似ているので、
この名前がついたといわれています。
[キウイフルーツ 庭植えの育て方]
■栽培条件と品種の選び方
・栽培条件
休眠中はマイナス10℃まで耐えられますが、
キウイフルーツは休眠から覚める時期が早く、
春先の萌芽後に低温や遅霜があると、芽が枯死してしまいます。
そのため、栽培適地は関東以南となります。
・品種選び
キウイフルーツは雌雄異株ですので、
雌雄が別々の木なので、1本では実がつきません。
雌雄の株は、よくセットで市販されています。
雌株は大果の「ヘイワード」、実つきのよい「アボット」、
香川県で作出された「香緑」が、雄株は「トムリ」が一般的です。
キウイフルーツのつぼみ
■植え付け時期と場所
・植え付け
キウイフルーツの植え付けは、
休眠期間中の11月~3月に行いますが、
早春には休眠から目覚め、盛んに生長をはじめますので、
11月~12月に植えるのが最適です。
直径1m、深さ50cm程度の穴を、5m以内に2ヶ所掘ります。
それぞれ掘り出した土の半量に、
同量の堆肥や腐葉土、バーク堆肥、ピートモスなどを混ぜ、
できれば鶏糞1kgも加えて埋め戻し、
その上に何も混ぜていない土を埋め戻します。
苗木はポットから抜いて、根が少し出るくらいに根鉢をくずします。
根を四方に広げ、深植えにならないように植え付けます。
支柱を立てて苗木をヒモで固定し、水を十分に与えます。
40~60cmの高さで、2~3芽残して剪定します。
・植え付け場所
日当たりがよく、強い風の当たらない場所を選びます。
ある程度保水力のある土壌が適しています。
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方
5m四方ほどの広さが確保できるのなら、
「棚仕立て」にすることができます。
1つの棚に、雄木と雌木を誘引します。
主枝を水平に、結果母枝を左右交互に誘引します。
雄木は主枝1本を伸ばして、側枝を出さないようにするのがポイントです。
2m程度の奥行きしか確保できない場合は、
「Tバー仕立て」が向いています。
主枝を水平に、結果母枝を下向きに誘引し、横に伸ばします。
・剪定
剪定は、12月~2月中旬に行います。
キウイフルーツは、その年に実をつけた枝の先の葉腋に、
次の年に実をつける枝が伸びます。
充実した芽を3~4芽残して枝を切り詰め、
栄養分が芽に流れるようにします。
・施肥
収穫後の11月に元肥を施し、3月に追肥を行います。
・受粉
開花期の揃った品種の雄木を雌木の隣に植え付けてあれば、
虫媒に任せてもよいのですが、
結実を確実にしたいなら、人工授粉を行うとよいでしょう。
花粉を出している雄花を取り、
3分咲き~満開の雌花に、こすり付けるようにして受粉させます。
雌花は、開花から3日間が受粉適期です。
受粉適期の雌花は、花弁が乳白色をしていて、
めしべの先端が光ったようになっています。
1個の雄花で、10個の雌花に受粉できます。
・摘蕾と摘果
開花前に摘蕾をします。
最も基部にあるつぼみを取り、
1節あたり1花、1本の結果枝あたり3~5花に、
なるように摘蕾をします。
満開から1ヶ月以内に摘果します。
先のほうの強い結果枝では3日、
基部に近い弱い結果枝は1~2果を目安にします。
・収穫
最も一般的な品種である「ヘイワード」の収穫時期は、
11月上旬~中旬です。
キウイフルーツの場合、
外観から収穫摘期をつかむのは困難ですが、
霜が降りる前に収穫します。
果実を手で握り、親指で果梗を前に押すようにすると、
簡単にもぎ取ることができます。
・貯蔵と追熟
果肉が黄色系の「センセーションアップル」「イエロージョイ」などをのぞいた、
キウイフルーツには、追熟が必要です。
果実をビニール袋に密封して20℃前後で保管すれば、
2週間前後で食べられるようになります。
リンゴやバナナと一緒にビニール袋に入れれば、
もっと早く追熟されます。
食べごろの目安は、果実を軽く握って、
耳たぶくらいの柔らかさになったときです。
キウイフルーツを貯蔵する際は、
菓子箱などの浅い箱と、湿度を保つためのビニールシートを準備します。
箱にビニールシートを敷き、キウイフルーツを並べ、
箱をビニールシートで包んで密閉します。
ふたをして冷暗所に保管すれば、2月頃まで貯蔵できます。
それ以上貯蔵する場合は、冷蔵庫に入れます。